- 出演者
- タモリ 近江友里恵 浅野里香
今夜は2017年10月に2週に渡って放送した黒部ダムをまとめて紹介。
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- 黒部ダム
扇沢駅前からスタート。タモリは駅から黒部第四ダムへの道筋を概説し、「初めて来るんですけど、けっこう詳しいんです」とコメント。情報源は2005年に放送された「プロジェクトX」で、同じく視聴していた近江アナは「涙なしには見られない」と語った。
そして今回のお題「黒部ダムはなぜ秘境につくられた?」を発表。今回の案内人は関西電力の上坂薫氏。
上坂氏は黒部ダムがいかに秘境にあるのかを示した写真を紹介したところ、黒部ダムに詳しいタモリは木で作られた道があったなど建設予定地まで行くまでの道程が大変ということまで既に知っていた。
上坂薫氏は黒部ダムまでは立山黒部アルペンルート、もしくは扇沢駅からトロリーバスで向かうというルートを紹介し、後者のルートでスタート。
オープニング映像。
トロリーバスに乗車し、黒部ダムへと出発。走行していたのはかつての工事用トンネルで、タモリが上坂氏に確認したところ、同氏は「近江さんに質問しようかなと思っていたんです」と語った。
タモリら一行が乗ったトロリーバスが走行していたのは黒部ダムの建設当時、現場へ資材を運び入れる工事用のトンネルだった。トンネル工事は悪戦苦闘の連続。トンネル工事の最難関「破砕帯」の場所で途中下車し、タモリと近江アナは水温4℃の地下水に触れた。タモリたちは駅に到着した。
黒部ダムを見るために景色のいいルートを選んだタモリたちは220段の階段を登った。黒部ダムを見たタモリはデカイとコメントした。黒部ダムは186メートルもあり、日本一の高さとなっている。たまっている水の量は二億トンだという。
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地形や地質の専門家である富山大学の竹内章名誉教授が合流。タモリは黒部ダムを挟んで上流と下流とで地形の違いに気づいた。下流と比較し、上流は谷の幅が広く、水をためやすい地形だった。
「何故、くろよんと呼ばれるかご存知ですか?」と尋ねると、タモリは「黒部第四」と答えた。今では黒部ダムを利用する発電所は10個所にのぼっている。黒部川第四発電所ができる以前は約23万kwの電力を生み出していたが、現時点での出力は約90万kw。この場所は水力発電に必要な大量の水、落差を得られる最高の場所だった。
タモリは高さ186メートルのダムの上にいる。関西電力の上坂薫さんに案内をしてもらった。
タモリは黒部の地形を一望できる大観峰に向かう。立山黒部観光の窪田直則さんに案内をしていただく。タモリはケーブルカーに乗った。標高差は373メートル、最大傾斜は31度となっている。また、全線地下式になっている。タモリら一行はロープウェーに乗って展望台を目指す。ロープウェーには支柱が一つもない。雪が多く、雪崩の多く発生する地域であるため支柱はあえて作っていない。
冬になると、標高2000m以上の場所では積雪7m近くになり、地下にケーブルカーがあるのも雪崩による被害を防ぐための工夫とのこと。実は、この雪の多さも黒部ダムが山奥の秘境につくられた理由だ。窪田直則さんが、「雪があることによって春くらいからゆっくりゆっくりとけだして、水の少ないあったかい時期にも雪どけ水で潤しているんです」と説明した。
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黒部ダムの展望台に到着したタモリと近江。黒部の大パノラマに感動していた。地質学が専門の竹内章さんが登場。黒部ダムの展望台があるのは立山連峰だが、黒部ダムを真ん中にして立山連峰の後ろにある山々を“後立山連峰”と呼んでいる。2つの山脈がつくっている深い谷がダムにはうってつけの奇跡の地形とのこと。中央アルプスと南アルプスには3000m級の山脈はそれぞれ1つ。しかし、北アルプスは3000m級の山脈が2つ並んでいる。
黒部峡谷の誕生について竹内さんが実験などを用いて説明。北アルプス周辺の地下には2つの海のプレートが潜り込んでいるため、2つのプレートから同じ場所でマグマが生まれるとても珍しい場所。地下にマグマが多いため、地表付近が熱せられて柔らかくなっている。そこにプレートによる東西からの力がかかるため、盛り上がりやすくなっているのだ。さらに、マグマで熱せられ柔らかくなった場所は急激に盛り上がり、割れ目ができやすくなっている。そこに雨水が入り込み、さらに侵食して谷をつくる。もともと1つだった山は2つの3000m級の山脈へと姿を変えたのだという。
大観峰から再びダムへ。秘境ゆえのダムづくりの工夫に迫る。黒部ダムはアーチ式のダム。はがきをダム、コインを水圧に見立て、はがきをアーチ型にするとコインの重みを両側で支えるため崩れない。このようにアーチの形は水圧を両岸をおさえる力に変えるために、コンクリートが薄くて済むが、黒部ダムの場合は両岸に端が接していない。タモリさんはこの点がずっと疑問だった。黒部ダムのすぐ近くには谷があり、両岸にくっつけると力を支えきれない。そこで黒部ダムは前傾姿勢にすることで下向きの力を働かせ、支えている。
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黒部ダムの上部のくの字になっている部分について解説。くの字にすることで谷から離れた場所で水をせき止めると共に、上部の岩盤に負担を与えないようにしている。またくの字の部分は重力式。実は黒部ダムは複合型。すごい構造、とタモリは感動したがついていけない様子の近江友里恵に上坂さんがフリップで解説してくれた。重力式ダムはコンクリートをたくさん使い、その重みで水圧を受け止める。秘境に作られた黒部ダムは資材の運搬を少しでも減らすため複合型を選択した。
上坂さんの案内で黒部ダムならではのダムを守る工夫を見学。そこは、ダム本体のコンクリートの状態をチェックする点検用の通路だった。ダムの水を霧状に出している理由について聞かれたタモリは、「そのまま落とすと侵食して穴があいちゃうんですよね」とコメントし、見事正解した。霧状の放水はただ美しいだけでなく、ダムを守るための工夫だったのだ。
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人も通わない秘境に7年もかけてつくられた黒部ダム。それは人間が自然と真正面から向き合い、知恵と勇気の限りを尽くしたことを物語る巨大な記念碑でもあるのだ。今回のブラタモリについてタモリは、「よかった今日は。いろんな疑問が全部解けて。よかったです!」とコメントした。
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