2024年6月29日放送 10:30 - 11:00 テレビ東京

ブレイクスルー
電力不安のニッポン…資源高騰で“マグマの力”に期待!?

出演者
佐々木明子 真山仁 
(オープニング)
日本の”電力不足”に救世主!?

経済小説「ハゲタカ」をはじめ、さまざまな人間ドラマを描く小説家・真山仁が未来を切り開く開拓者に迫る。13年前の原発事故以降逼迫する日本の電力。更にロシアによるウクライナ侵攻や歴史的円安の影響で燃料価格は高騰。資源を輸入に頼らざるをえない日本は窮地に立たされている。そんな中、注目度が高まっているのが自然の力を活用した再生可能エネルギー。国内の電力の2割以上を賄うまでになった。今、忘れ去られた地熱発電が息を吹き返そうとしていた。原発に匹敵する新たな発電超臨界地熱。最先端の技術を駆使しかつてない巨大な電力を生み出そうとしている。独自の取材を重ね地熱発電をテーマにした作品を書いてきた真山仁。今週から2回に渡り日本の電力の未来を変えようと奮闘する地熱アプロ計画に挑む改革者に切り込むという。

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ハゲタカ真山仁
オープニング

オープニング映像。

(ブレイクスルー)
再エネの”劣等生”地熱発電

産業技術総合研究所は国内の拠点12か所で次世代技術を研究。福島再生可能エネルギー研究所(福島・郡山市)では再生可能エネルギーの最先端研究が行われている。原発をしのぐほどの地熱発電を新たに生み出そうとしている産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター・浅沼宏副研究センター長。2014年に東日本大震災からの復興、世界最先端の再生可能エネルギーの研究を行う目的で設置された日本で唯一の再生可能エネルギーに特化した研究所。この10年で大きく普及した太陽光発電。曲げられるほど超薄型の太陽電池も開発され、今後、ビルや住宅の窓ガラスや屋根での利用が見込まれている。天候や季節の影響を受けるのは太陽光発電だけではない。風力発電もそのひとつ。発電量は気象状況に左右されるため安定した供給が困難とされている。更に数多くの発電施設が必要などのデメリットもある。

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再生可能エネルギー産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所郡山市(福島)

それらと一線を画すのが浅沼が専門とする地熱発電。地下1000mから3000m付近には貯留層という雨水の溜まり場がある。その地下水は近くにあるマグマ溜まりで温められ、200℃から300℃の高温となる。この熱い水を吸い上げると地表近くで水蒸気となり勢い良く吹き出し、この蒸気の力を利用しタービンを回す事で発電する。気象条件に関係なく24時間365日発電が可能。火山大国日本の地熱エネルギーは世界3位のポテンシャルを有している。日本の地熱発電の歴史は1966年に完成した松川発電所(岩手・八幡平市)から始まった難工事。そして、日本初の地熱発電として運転を開始。新たな電力を生み出す一大プロジェクトは世界の注目を集めている。先人たちの姿に憧れた浅沼宏は”地熱”一筋に研究を続け日本各地を飛び回ったという。そんな浅沼の重要な仕事のひとつが地中の状況の調査。日本の電源構成は70%以上が石油や天然ガスを燃やして電気を生み出す火力発電。地熱発電は全体のわずか0.3%にとどまっている。東日本大震災の直後は原発にかわる電力の切り札として期待されていたが、普及には地熱発電に適した開発地の選定という大きな壁があった。地熱の世界でポテンシャルは第3位だが、発電量は世界で10位。温泉と地熱をどう共生させるかという社会合意。キーワードは「各々に合わせて適切に使う」。

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八幡平市(岩手)地熱発電日本重化学工業環境省産業技術総合研究所資源エネルギー庁
風評被害の温泉街が復活!

地熱開発への拒否反応を示す温泉地が多い中、温泉組合自らが地熱発電に乗り出しブレイクスルーを果たした街が。土湯温泉(福島市)は一時は観光客が激減し、存続も危ぶまれていたが、今は客を取り戻し、新たに旅館の建設も始まるなど温泉街は蘇った。救世主が土湯温泉バイナリー発電所。バイナリー発電は水の蒸気ではなく、水より沸点の低いアンモニアなどを蒸発させ、タービンを回す方法。100℃以下でも蒸気を発生させられるため、温泉の源泉などでも発電でき、その分深くまで掘る必要がない。日本の温泉街でも活用ができると数年前から注目され始めた発電方法。土湯温泉では組合が主導してバイナリー発電を取り入れた。土湯温泉は2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた。旅館を被災者の避難場所として提供したことで原発事故に関わる風評被害にもさらされ客数が激減。補助金を活用しバイナリー発電所建設を決断。2015年に完成すると年間1億円もの売電収入をもたらした。収入をもとに新たな街の名物も誕生していた。亜熱帯で育つオニテナガエビを発電後の温水を有効活用し、陸上養殖している。温泉組合が空き家を買い取って作ったカフェでは養殖のエビ釣りも楽しめる。年間約3000人の観光客が訪れる。温泉の熱で発酵させるどぶろくやシードルも人気。今月、温泉熱で作る納豆工場をオープンした。地熱発電への理解が街に新たな可能性を生み出していた。徐々に普及が始まったバイナリー発電だが、小規模なものがほとんどという現実もあり、これだけで日本の電力源を抜本的に変えるには至らない。地熱発電で1番日本で大きいのは八丁原発電所の11万キロワット。原発は一番小さいもので50万キロワットはあるという。

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オニテナガエビバイナリー発電八丁原発電所土湯温泉土湯温泉バイナリー発電所東日本大震災湯遊つちゆ温泉協同組合福島市(福島)
超臨界地熱で電力革命!?

新たな地熱発電で日本の電力問題に挑む産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター・浅沼宏副研究センター長。地熱発電で1番日本で1大きいのは八丁原発電所の11万キロワット。日本の電力に変革をもたらすかもしれない超臨界地熱発電には地下5000m、摂氏500℃という極限の戦いが。

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八丁原発電所産業技術総合研究所
次週

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(エンディング)
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