- 出演者
- 佐々木明子 相場英雄
オープニング映像。
今や身近は電化製品に欠かせないのはリチウムイオン電池。実は次世代電池の開発に取り組んでいる開拓者がいる。物質・材料研究機構の松田翔一さん。大気中の酸素を用いたリチウム空気電池を開発している。この電池は正極を酸素にして軽量化しており、酸素で高エネルギー密度を蓄えられる。一方実用化のハードルもある。そんな開拓者に迫っていく。
リチウム空気電池の実用化に向けた実験を行っている。リチウム空気電池の寿命を決める材料の探索をする機械だという。リチウム空気電池の課題は電池の長寿命化。リチウムイオン蓄電池は充電が約500回が寿命の目安となっている。しかしリチウム空気電池は約30回が寿命となっている。充電、放電を繰り返すと電池の中の電解液が分解されてしまうという。電解液は電池内でリチウムイオンの通り道となる物質で、酸素の場合この電解液が減り動かなくなってしまう。さらに劣化することで電極が使えなくなってしまう。そこでこの実験は、たくさんの電解液を実験的に作り、まとめて評価するシステムを使っている。この機械は様々な電解液を自動で調合する。配合の異なる電解液で充電、放電の反応を再現し、1日で約600種類をテストする。さらに収集したデータをAIで分析して最適なものを探る。ビニレンカーボネートはリチウムイオン電池の電解液にも添加しており、放電性能を高める物質である。ところがAIが導き出したのはビニレンカーボネートが0の場合で、定説を覆している。相場さんは、実用化に向け研究の進捗を訪ねた。松田さんはゴールの定義によるとした上で、充電回数が100回~200回だと定義すると5合目に来ているのではと話す。どんなに好都合が起きても5年後なのではと話す。AIの導入によるスピードについては進みが良くなっていると話す。
松田さんは1987年に東京で生まれた。小学生の頃にはロボットコンテストに憧れ、工作をして遊んでいたという。そのご東京大学に入学。恩師との出会いが蓄電池への研究のきっかけとなった。大学では橋本和仁先生のラボに所属した。先生が社会に役立ってこそのサイエンスと意識していたので研究室に入ったという。松田さんは科学的なことにも興味はあるが、実社会とのつながりがほしいと思い、蓄電池がちょうどフィットしたという。松田さんは物質・材料研究機構に入所。リチウム空気電池の開発を進めることになった。酸素のちからで軽量。大容量になるリチウム空気電池。成功すれば究極の次世代電池となる。しかし、実現は不可能とも言われていた。松田さんがリチウム空気電池を選んだ理由について、リチウム空気電池のほうが新しくチャレンジがたくさんある研究のほうが難しさの多い分自身が貢献して解決するチャンスがあると思ったという。研究者として乗り越えなければならないポイントは、充電回数やエネルギー密度に一喜一憂することなく、基礎的な地検や理解を蓄積していくことが次のブレイクするーのために必要だと話す。
酸素で軽量、大容量を実現するリチウム空気電池。研究を続けるNIMSの松田さん。かつて日本がリードしていたEV向けリチウムイオン蓄電池は中国が世界シェア約7割となっている。日本の自動車メーカーが力を入れているのは全固体電池。電池内部を特殊な固体にすることで、急速充電や高出力化が可能になる。このように次世代電池の開発競争が激化している。リチウム空気電池の日本の優位性について、実用的な電池をつくる観点では日本は世界トップで間違いないと松田さんは話す。さらにリチウム空気電池の研究を長く続けると思っており、リチウム空気電池は実は何回かブームが過去にあり、今は流行っていないから研究をやめて全固体電池や他の電池研究にうつっているという。しかし研究をやめると研究の引き継ぎができないという。ブームが来たときの先端にいるのは、ブームじゃないときにやり続けている人だと話す。開発への焦りについて、焦りはないという。みんなと同じ行動してはいけないと話した。研究で大事にしていることについて、リチウム空気電池の研究コミュニティがあるので、広がりを持ちつつ実力を上げることが必要だと話す。
ブレイクスルーはTVerで配信、
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酸素で軽量、大容量を実現するリチウム空気電池。その実用化を長年目指すNIMSの松田さんは、研究への信念について、研究を志す人へのアドバイスをきいた。松田さんは興味を幅広くもつことだと話す。最初はなんの役に立つかわからないが現象として面白いと構えることが大事だという。松田さんが微生物電気科学でやっていたことが実験自動化につながった経験から、何があるかわからないと話す。例えば電解液の検査装置は、微生物の実験装置で使われていたものだという。さらにAIを活用することや、自動生産システムを導入したりと、新たな手法を追求している。前代未聞の開発のため、その先には異分野との連携も必要だという。相場さんは松田さんにとってのブレイクスルーをきいた。松田さんは研究でチャレンジングなテーマをやり続ける、他の人が諦めても長い期間がかかってもやり続けることが必要だと話した。
