- 出演者
- 城島茂 三田寛子
今回は栃木県日光市。去年の観光客数は1000万人以上、特に奥日光は過去10年、8月の平均気温が約20℃と関東を代表する避暑地のひとつ。今回は絶景、世界遺産、グルメの3人の匠と日光の魅力を大調査する。日光の夏の名物グルメ、日光東照宮 陽明門の意外な秘密とは?など。
日光うたかたフォトスタジオのフォトグラファー池羽さんが、中禅寺湖の秘絶景スポットを紹介する。東武日光駅から車で約30分。いろは坂を登った先にある、日本百景に選ばれた湖。四季折々の美しい絶景が人気。最初の絶景スポットは歌ヶ浜第一駐車場の脇にあり、男体山と中禅寺湖が楽しめる。スマホで絶景を撮るコツとして「トンネル構図」を教えてくれた。被写体の周りを草木で囲むことで被写体がより強調される。続いては憾満ヶ淵へ向かった。約70体の地蔵が並ぶ渓谷で、近くの日光田母沢御用邸記念公園は大正天皇の静養地として造営された旧御用邸。英国大使館別荘記念公園、イタリア大使館別荘記念公園も紹介。
日光東照宮にやってきた。1617年、徳川家康をまつる神社として創建。8の国宝、34の重要文化財がある。案内してくれるのは堂者引きの春日武之さん。堂者とは江戸時代から続く日光の社寺唯一の公認ガイド。参道の道幅は奥に向かって徐々に広くなっているが、鳥居の手前の階段からは逆。遠近法で距離感を誤魔化し、敵兵に鉄砲を使いづらくするため。参道の途中から勾配がきつくなるのも同じ理由。
日光東照宮の鳥居の横にある「東照宮」と書かれた石碑。書いたのは渋沢栄一。幕末から明治にかけては明治政府にも徳川家にも資金がなく、15代将軍・徳川慶喜の幕臣であった渋沢が日光東照宮の修繕に尽力した。一ノ鳥居は高さ9m、15個の石で組み立てられ地震の揺れを分散させる構造に。
日光東照宮、一ノ鳥居前の石段。10段目の真ん中にある敷石は他とは色が異なる。
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日光東照宮、一ノ鳥居前の石段。10段目の真ん中にある敷石は他とは色が異なるのは、敷石の色の変化で天気がわかるようにするため。湿度が高くなるほど色が黒くなる。呼び名は「照降石」。
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日光東照宮にある五重塔。一層目の屋根の下には十二支の彫刻が彫られていて、方角を表す機能も。正面にあるのは辰、丑、寅。それぞれ3代将軍・家光、2代将軍・秀忠、初代将軍・家康の干支にあたる。こうなったのが偶然かは未だ分かっていない。五重塔のように高い建物と自撮りする場合、スマホを下からあおるようにすると良い。
日光東照宮にある「阿房丸」は、表門の手前の石垣にある巨大な一枚岩。高さ4m50cm、横幅6m。徳川家の権威を示すために置かれたとされる。
日光東照宮にある重要文化財「神厩舎」。三猿の彫刻は全8面あり、人間の一生が表されている。6番目が表しているのは恋愛。猿の目が赤くなっているのは恥じらいを表しているから。
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日光東照宮にある国宝「陽明門」。霊獣など508体の彫刻が施されていて、一日中見ていても見飽きないことから「日暮の門」とも呼ばれている。門の奥、北極星と直線上で結ばれる位置に家康の墓がある。その南は江戸。陽明門を見るベストポジションも決まっていて、その位置に立って江戸時代の平均身長である150cm~155cmの目線で見るのがベスト。陽明門の手前にある廻転燈籠にも秘密がある。
日光東照宮にある国宝「陽明門」。その手前にある廻転燈籠には家紋が施されているが、デザインが上下逆さま。オランダから奉納された燈籠であるため。間違えられたことは家光公の耳にも入ったが、「こんなことは罪にならん」「我慢すればいいこと」と言ったとされる。
日光東照宮にある国宝「陽明門」。天井には2体の龍が描かれていて、どこから見ても視線が合うように作られている。12本の柱のうち、1本は模様が逆さま。「満ちれば欠ける」という言葉を信じ、あえて不完全にして魔除けにしたとされる。その先の唐門には611体の彫刻があり、中央には家康が尊敬していたとされる舜帝が彫られていて、その顔は家康に似せて作られた。
日光東照宮には5173体の彫刻がある。江戸時代に活躍したとされる彫刻職人・左甚五郎が彫ったのが「眠り猫」。ふつう神社仏閣にネコは彫られない。見る位置によって表情が異なって見える。斜めから見ると獲物を襲う体勢、正面から見ると穏やかな体勢。「穏やかな世界を崩す者がいれば徳川家は容赦しない」との意味が込められている。
国宝・眠り猫の裏側には雀の彫刻がある。猫が国をしっかり守ってくれているから雀は安心して遊んでいるといった意味があるそう。将軍しか通れなかった場所にあるこの彫刻を見て、「家康公が作られた天下泰平をいつまでも続けていかなければ」という責任感が将軍に芽生えるようにという意図もあったのではとした。
真夏にピッタリの日光グルメを紹介。和スイーツ専門店「日光もなか」は、栃木県産の食材を使ったメニューが人気だそう。期間限定のアイスもなか(黒糖きなこ・いちご)を頂いた。他にも「フルーツ大福もなか」なども楽しめる。
日光の夏の名物グルメが味わえる「日光珈琲 御用邸通」。米や麦の商店をリノベーションした古民家カフェで、自家焙煎したオリジナルブレンド珈琲などが味わえる。
日光の夏の名物グルメが味わえる「日光珈琲 御用邸通」。日光名物の天然氷を使ったかき氷を楽しむことができる。「かき氷 雅(カフェ・オーレ)」などを頂いた。薄く氷を削っているため、シャキシャキ感とフワフワ感が味わえるそう。大正時代からの技を継承した天然氷の蔵元「四代目徳次郎」の天然氷を使用しているとのこと。かき氷は全10種類あり一年を通して味わえるそう。