- 出演者
- 竹崎由佳 後藤達也 長部稀
オープニング映像が流れた。
日経平均株価はきょう6日ぶりに最高値を更新した。株式相場の勢いが続く中、市場が気にかけるのは日銀がいつ次の利上げに踏み切るか。オープンAIのサム・アルトマンCEOと日立製作所の徳永俊昭社長が握手する映像を紹介。両社はきのう、戦略的な提携を発表し、日立製作所の株価は10.3%上昇。オープンAIと組むソフトバンクグループの上昇率も3.6%で、AI関連株に資金が集まっている。個人投資家は「売却するタイミングを利上げと株式の上昇を見ながら考える時期に来ている」と話した。植田総裁は、きょう大阪市内で開いた記者会見で次の利上げまでの距離感を問われると「継続的に私どもの経済・物価見通しの確度が上がったと言えるかどうかで判断していく」などと述べた。利上げを継続する姿勢は変わらないものの、その時期を示唆することはなかった。気になるのはアメリカの関税政策の影響。
日銀は情報発信の機会を増やしている。きのう、全国証券大会で日銀の内田眞一副総裁は「引き続き政策金利を引き上げ金融緩和の度合いを調整していく」などと述べた。今週月曜日には野口旭審議委員も講演で「政策金利調整の必要性がこれまで以上に高まりつつある」などとコメント。7月末の金融政策決定会合から先月の会合までの間、日銀の政策委員による外部への情報発信は3回のみだった。ところが、今月末の会合までの間には、きょうの発言を含めて8回の発言機会が予定されている。日銀ウォッチャーで野村証券 エグゼクティブ金利ストラテジストの岩下真理は「去年の夏の反省があった」などと分析。反省とは0.25%への利上げを決めた去年7月の政策決定。事前の情報発信が少なかったことから、マーケットにとってはサプライズの利上げ。直後に発表されたアメリカの経済指標の悪化も重なり、8月5日、日経平均が1日で4000円を超えて下落する「令和のブラックマンデー」につながった。突然の追加利上げでマーケットが動揺する事態を避けるため、日銀は地ならしに力を入れているとみられる。岩下は、植田総裁から新たなヒントがなかったため10月の利上げを決め打ちできないという。
経済ジャーナリストの後藤達也が解説。野村証券 エグゼクティブ金利ストラテジストの岩下真理は10月の利上げを決め打ちできないというが、利上げの可能性は6~7割ぐらいとみる。植田総裁は新しく踏み込んだ発言をしたわけではなく、内田副総裁も同様だった。ただ、直近では9月の金融政策決定会合で2人の委員が利上げを提案しているし、利上げに慎重だとみられていた野口委員も利上げを意識させるような発言をしている。日銀は総裁、副総裁、9人の委員の多数決で利上げするかを決める。残りの4人の中にも利上げを検討している人がいてもおかしくない。利上げを判断する多数派が形成される状況は近づいてきている。植田総裁は、きょう踏み込んだ発言をすると利上げは確実だろうと市場が受け止めてしまって利上げセざるを得なくなりかねないので、今のところは無難な発言をしておくのが得策と考えたのではないか。日経平均株価は最高値を更新。事前に植田総裁が地ならししてくるとの見方もあったので、無難な通過となったことで株高円安が進んだ。
日銀の利上げ判断のポイントは、まず物価高騰と株高。問題は、賃上げの持続、関税の影響、消費マインドの低迷の3つ。賃上げは、まだ物価高騰の勢いを上回るものではない。関税の影響も気になるが、短観で見る限りはそこまで悪化していないということなので、やや霧が晴れてきている。消費の危うさもあるが、総合判断で利上げの条件は整ってきているのではないか。
アメリカの金融政策を決める上で重要な指標の一つが雇用統計。日本時間の今夜9時半に発表される予定だったが、アメリカの政府機関が一部閉鎖したことで発表が見送られるという異例の事態となった。国民の生活に大きな影響は出ていないよう。政府機関の閉鎖は2018年以来およそ7年ぶり。与野党が対立し、当面の予算を確保するための「つなぎ予算」が成立しないことが主な理由。みずほ証券 チーフエコノミストの小林俊介は、FRBが利下げをするかしないかを迫られている、非常な厄介なタイミングで政府閉鎖になってしまったと分析。FRBは28日からFOMCを開き、追加の利下げを行うかどうかを判断。この後も消費者物価指数や小売売上高など重要な経済指標の発表が控えているが、予定通りに公表されない可能性がある。18日からはFRBの関係者が金融政策に関する発言を制限されるブラックアウト期間に入る。FRBが利下げを行うかどうかを予想する材料が減ってしまうため、市場関係者は政府機関の閉鎖が早期に解除されることを望んでいる。小林は「17日までに政府閉鎖が解除されて指標が発表になっているということが望ましい」などとコメント。
経済ジャーナリストの後藤達也が解説。雇用統計の発表が中止となったことは今月だけの問題ではなく、長期的、構造的な問題にも発展しかねない。8月のアメリカの雇用統計は記録的な下方修正をされて、これにトランプ大統領がかなり怒って担当の局長をSNSで「即刻解雇する」と言うようなことになった。これを見て政府職員の士気が低下したり、離職する動きが出始めている。これに加えて政府閉鎖で一時的に離職している形になっているが、「長期的な解雇を検討する」というようなこともトランプ大統領は言っている。今後、解雇があろうがなかろうが従業員が戻ってこない可能性もある。経済統計には生データの収集、分析が大事。優秀な職員が離れていってしまうとデータそのものの信頼性が揺らぐ。健康診断の数字がわからないまま健康管理をしなければいけないような状況が、FRBにも投資家にも求められてくることになりかねない。民間もADP雇用報告などのデータを出しているし、そういったものを見ながら判断していくことが大事。最近はビッグデータやAIを活用し、速いスピードで今まで見えなかったデータも見える。ただ、アメリカ経済全体がどうなっているのかは政府の統計のほうが見やすいところもある。
アメリカのオープンAIが今週公開した生成AIアプリ「Sora」で作成したとみられている、人気アニメのキャラクターが登場する非公式の動画を紹介。SNS上にはこうした動画が数多く投稿されていて、違法性を指摘する声が上がっている。Xで「Sora」と検索するとアニメのキャラクターが登場する動画が数多く投稿されていた。Soraを使えば簡単な文章を入力するだけで動画が作成できる。人気キャラクターが登場する動画を誰でも簡単に作ることができてしまう。田邉幸太郎弁護士は「著作権法上、違法になる可能性が出てくる」などと話した。オープンAIも責任を問われる可能性が出てくるという。
自民党の総裁選挙は、あす投開票され、新総裁が選出される。小泉農林水産大臣は国会内で麻生最高顧問や岸田前総理と相次いで面会。決選投票も見据え支援を要請したとみられる。また茂木前幹事長も麻生最高顧問と面会し意見を交わした。高市前経済安全保障担当大臣は赤坂の議員宿舎で国会議員に電話をかけ支持を呼びかけた。一方、小林元経済安全保障担当大臣と林官房長官は自身の陣営で集まり、情勢を確認。総裁選はあす午後1時から始まり、夕方には新総裁が決まる見通し。
日産自動車は今夜、サッカーJ1リーグ、横浜F・マリノスの運営会社をめぐって「筆頭株主であり続ける」との声明を発表。マリノスの身売りについては否定した一方で「株主構成の強化について積極的に検討している」と表明していて、一部株式を売却する可能性について示唆。日産は約75%保有している運営会社の株式の売却を複数の企業に打診したことが表面化していた。
富士通とアメリカの半導体大手「エヌビディア」はAI分野での協業を拡大すると発表。富士通のCPUとエヌビディアの高性能な画像処理半導体を組み合わせ、人間の仕事を自律的に代行するエージェント型のAIや、高効率、高速処理を可能とする次世代コンピューティングの基盤を共同開発する。富士通の時田隆仁社長は「AIが駆動する社会、リードするテクノロジーをわれわれが生み出していく」などと話した。両社は自律的ロボットの実装に向け、産業用ロボットを手がける安川電機との協業の検討も始める。
厚生労働省が発表した8月の有効求人倍率は前の月を0.02ポイント下回る1.20倍で、2カ月ぶりに低下した。原材料価格や光熱費などのコスト上昇の影響で製造業や小売業を中心に新規の求人が減少したことなどが要因。総務省が発表した8月の完全失業率は前の月より0.3ポイント高い2.6%で、5カ月ぶりに悪化した。
EUが鉄鋼に50%の関税を課すことを検討していると、アメリカのブルームバーグ通信が2日、報じた。実施されれば税率は2倍となり、トランプ政権の鉄鋼への関税と同じ水準となる。中国をはじめ、安価な製品の流入を防ぎ、EU内の産業を保護する狙いがあるとみられる。
9月30日火曜日、経済同友会の新浪剛史代表幹事がサプリメントをめぐって警察の捜査を受けた問題の責任をとって辞任した。一方で新浪氏は疑惑について改めて潔白を主張し、政府の経済財政諮問会議の民間議員は「辞任しない」と述べた。
東京都の小池知事は都議会で、23区内の火葬料金の高騰を巡って火葬場の実態調査を年度内に行うと表明した。全国の火葬場の9割以上を自治体が運営され、住民向け料金が無料~2万円前後に抑えられている。これに対し東京23区内の火葬場は9カ所のうち7カ所が民間運営で、料金は8万~9万円となっている。
10月1日水曜日。与野党の対立が深刻化するアメリカで、必要な予算が成立しなかったため政府機関の一部が閉鎖された。政府閉鎖は7年ぶり。
国内の金の店頭小売価格が初めて1gあたり2万円を超えた。約2年で価格が2倍となった。アメリカの利下げ観測と中東情勢の緊迫化などが重なり、金の需要が一段と高まっている。約1500枚の金箔を貼り付けたドジャース・大谷翔平の等身大の像の価格は5500万円。横浜の百貨店で開かれた大黄金展には金製品1000点以上が並んだ。金の国内小売価格(田中貴金属工業)を紹介。異例ともいえる値動きにSGC・土屋会長は「この先どこまでいくのか神のみぞ知る」などと述べた。金の需要にフル稼働で対応しているのは地金工場。客から買い取った金製品を薬品で溶かし不純物を除去、純金を取り出すことができる。地金工場では生産量が5年前と比べ約1..5倍に増加した。SGC・山口さんは「ゴールドラッシュみたい」などとコメントした。金を投資目的で購入する規約が増えている。
半導体製造装置を手がけるヤマハロボティクスはワイヤーボンディングと呼ばれる工程で金を使用していた。半導体に電気などを通すために欠かせないワイヤー。金は加工しやすく腐食しないため特に重宝されていた。しかし金価格高騰が企業の負担になっている。業界全体に金からの切替が加速している。現在では銅のワイヤーの方が主流。ヤマハロボティクス・北林さんは「これからも銅への移行が進んでいくと思う」などと述べた。
金高騰の影響は、地方の伝統産業にも。訪れたのは石川県金沢市にある「中村製箔所」、国宝や重要文化財の修繕、さらに食用など様々な用途の金箔を製造・販売している。材料となる金の高騰を受けて、金箔の販売価格も上げざるを得なくなっている。この日中村さんが向かったのは、金箔を納入している仏壇の製造業者。ここで作っているのは、国の伝統工芸品にも指定されている“金沢仏壇”。特徴である豪華な雰囲気を出すために、多くの金箔が必要だと言う。伝統産業を苦しめる金の高騰、そこで金箔に変わる新たな材料も。期待しているのが色箔、材料は銀。銀と硫黄を反応させて色を出すという。他にも貝殻を使って美しい模様を出す“螺鈿塗り”という装飾で金箔を節約する工夫も。様々な影響をもたらす金の高騰、この流れについて専門家は「来年まで続くかは疑問」とのこと。
アメリカ南部サウスカロライナ州にある、重機などを製造する工場。溶接作業を行っているのは産業用ロボットで、世界4大メーカーの1つとして知られる安川電機のロボットアーム。多くの製造業が3月に決算を迎える一方で、安川電機は決算期を2月に設定している。そのため、安川電機の業績は多くの製造業の業績を占う“先行指標”として注目される。そして今日、来年2月までの1年間の業績予想を発表。純利益が370億円になるとの見通しを示し、330億円だった従来の予想を上方修正した。7月下旬に日米の関税交渉が合意に至り、相互関税の税率が24%から15%に引き下げられたことが要因とのこと。交渉が合意する前に発表した業績予想では、関税によるコストを65億円と試算していた。しかし、税率の引き下げにより関税コストは35億円に縮小するという。関税交渉では、日本がアメリカに対して約80兆円の投資を行うことで合意している。安川電機の小川社長は、アメリカでの設備投資の需要が拡大すれば、業績の追い風になる可能性があるとの見方を示した。