- 出演者
- -
今回の世界遺産はインドネシアのバリ島。登録名は「バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナ哲学を表すスバック灌漑システム」。トリ・ヒタ・カラナとは幸せを生む3つの源という意味。
バリ島の棚田や寺院がある5つのエリアが世界遺産になっている。リゾート地から内陸に10キロほど入ると棚田が広がっている。1年中気候が温暖なバリでは二期作が主流。棚田が作られるようになったのは9世紀頃。田んぼの近くには水をもたらす神様へお供えをするための祠が建てられている。バリの人が信仰しているのは独自に発展したバリ・ヒンドゥー教。バリ島は平地が少ない火山島。
600kmにも及ぶ水路網が棚田を支えている。海から吹く湿った風が山にぶつかって雲になり、雨季の約5か月間たくさんの雨が降る。その雨水がカルデラに溜まってできたのがバトゥール湖。バリ島の貴重な水源の一つだが、流れ出す川は1本もない。バリ島は噴火によって岩や火山灰が堆積した地質。地層の隙間や割れ目が水の通り道になった。湖の水はその地層に浸透し、至る所で湧き出す。その湧き水を棚田に流すためにバリの人たちは水路網を作った。自然に配慮し山の斜面を利用しながら調節した。設計図は見つかっていない。水路が山で遮られる場所ではトンネルを掘った。人の手だけで掘った水路網の全長は600km以上。
バリ島では地形を活かしながら1000年以上かけて棚田の景観を作ってきた。棚田の中には集落が点在している。家の真ん中には米を貯蔵する高床倉庫がある。常に自然と向き合っている農家にとってお祈りは欠かせない日課だという。
集落の近くには水をもたらす神様を祀る寺院がある。境内には清流が流れている。参拝者は祈りを捧げる前に必ず水で身を清める。正装に着替え本殿へ。こうした水寺院がバリ島の各所に点在している。ティルタ・ウンプル寺院は最も多くの棚田の水源とされる場所。人々がバリ中から沐浴に訪れる。水源に寺院を建てることで神聖な場所として保護した。バリの人たちは重要な農作業の前に必ず神様に祈りを捧げる。棚田を守るために作られたスバックと呼ばれる農家のつながりがある。
「世界遺産」の次回予告。
バリ島で一般的に使われているバリカレンダーは西暦だけでなく様々な暦も書かれているが、農家が大切にしているのは1年が210日であるウク暦。それを読み解いた行動指針も示されている。農家はこのカレンダーをもとに農作業のスケジュールを話し合う。
バリの農家は約1000年前にスバックという独自の組合を作った。スバックとは「流水の分配」という意味。水の配分はしっかり管理されている。スバックを組むことで貴重な水をめぐる争いが起きないようにしている。スバックはバリ全体で約1600あると言われている。水路の掃除も共同で行ってきた。人と自然と神の調和を重んじるバリ独特の哲学が育んだスバック灌漑システムが評価され、バリの棚田は世界遺産に登録された。
TVerのお知らせ。
- キーワード
- TVer
「ベスコングルメ」の番組宣伝。
