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今回は茶席、神社仏閣の儀式などで大切な役割を果たしてきた京菓子にスポットを当てる。
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京都・下京区で創業200年を超える老舗和菓子店ではシート状のつぶあん羊羹を販売。食パンに乗せて焼くと、手軽に小倉トーストが完成する。また、あんこの玉を洋風にアレンジした商品も話題を集める。従来品には黒砂糖のこし餡が詰まっていたが、生クリーム、ラム酒が入った栗餡が使われている。藤田怜美さんはパリでシェフパティシエをつとめていた頃、和菓子に魅了され、8代目を務める吉村良和氏の店で修行を積んだ。最初に取り組んだのがあんこの玉のアレンジで、生クリーム、ラム酒を加えた栗餡を寒天でコーティングし、生クリームの濃度を調整して栗の風味を引き立てた。
8代目の吉村氏は病気を経験したことで、血糖値の急上昇で体に負担のかからないお菓子を作ろうと考え、栄養学を学んだ妻、由依子さんの知恵を借りた。来店客からも「糖尿病の方でも食べられるお菓子はありますか?」と尋ねられることもあり、ニーズに応えたいと思ったという。新商品には天然の甘味料、ミネラル、食物繊維を豊富に含んだ食材をトッピングに使用。吉村氏は「ありがたい伝統文化を道具として使い、いかに幸せになって貰うものを作っていくことが大事」と話す。
米粉や砂糖、水飴などを固めて作り、水気が殆どない干菓子は薄茶の席などで供される。京都出身のグラフィックデザイナー、木本勝也氏は消費者と直接関わり合いたかったと、干菓子のデザインをアレンジ。パズルのような扇形の落雁は季節に応じ、様々な形をつくって楽しんで貰いたいという。SNSではフォトコンテストを行い、落雁を組み合わせた写真を募集した。夏季には色とりどりの魚型の落雁、金平糖のセットを販売している。落雁の主な材料は高級な和三盆糖で、まろやかな味わい、口溶けの良さを楽しんでもらうべく、つなぎのものは加えない。そして、木本氏は時代を先取りしたものづくり、京菓子の新たな可能性を追求し、甘夏、桃、ぶどうのピューレを使ったフルーツ羊羹を発表。
京都・北区にある店の主、真秀さんは天候や菓子の味などを考慮に入れた上で、京菓子と日本酒という組み合わせを勧め、詳しく解説も行ってくれる。京菓子を仕入れる店には10年以上、通い続けていて、100年続く老舗和菓子店の出身、高家裕典氏は当初、和菓子と日本酒を合わせることに驚きを隠せなかったが、今は新しい可能性、方向性を示して貰ったと感じている。
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- CORE KYOTO北区(京都)
八ツ橋は明治、大正時代に京都駅で販売され、全国に知れ渡った。昭和には生八ツ橋が考案された。下邑修氏が店主を務める店の看板商品は麩焼き煎餅で、軽い食感とほんのりとした甘みが特徴。元々、甘さがウリだったが、時代に合わせて改良したという。また、祇園祭では参加した稚児に味噌ダレを漬けた餅が振る舞われたが、大正時代、白味噌の餡を求肥で包んだ創作菓子が考案された。臨済宗の名刹、大徳寺では中国がから伝えられた製法をもとに納豆が室町時代から作られ、塩辛い味が特徴だった。中川明子さんはそんな納豆を取り入れたカヌレを発案した。
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