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日本維新の会・梅村聡の質疑。交際費などの損金不算入について梅村聡は「仮に全額、法人税を計算するにあたって、経費で損金算入が全額できたとすれば法人税はどれだけ減少するのか?」と質問。鈴木俊一は「経費で損金算入が全額できたとすれば1040億円程度の減収が生じていたと推計される」と述べた。梅村聡は「1040億円法人税が減るが飲食店は潤う。そこの従業員の賃金も上がる。お中元やお歳暮、取引先とのパーティーなどにも使えるので、小売、農業、漁業など、経済波及効果は高く出る。減税をするけど増収が得られる。これをすすめては?」と質問。岸田総理は「周りにも交際費課税制度縮減に前向きな方もいる。引き続き議論を続けるべき課題である」などと述べた。
梅村議員は診療報酬・介護報酬がマイナス改定になった場合、政府が掲げる医療・介護・福祉従事者の賃上げが実現できるのかどうか尋ねた。岸田総理は直接お答えすることは控えるとした上で、医療・介護・福祉分野の賃上げが重大な課題であることを認識しているとし、その認識を持って同時改定の議論に進んでいきたいなどと述べた。梅村議員は改革なくして賃上げはあり得ないと発言。その上で医療従事者等を雇うのにかかる手数料が適正かどうか武見大臣に尋ねた。武見大臣は病院経営者から手数料負担が大きいという声が上がっていることを認識しているなどと答えた。梅村議員は手数料が公定価格で、医療従事者の配置基準は国が決めていることなどから、手数料には上限規制を入れるべきで、退職時の手数料の返還割合もルールを決めるべきと主張。これに対し武見大臣は手数料の上限規制を設けることは事業者からの人材供給や病院施設等への人材確保に支障が生じかねないと主張。また医師の紹介は民間の事業者が7~8割を担っているとして、法令を遵守し丁寧なマッチングを行っている事業者の認定制度を作って推進しているなどととした。
梅村議員は「薬剤師が1日に処方箋を扱えるのが40枚までという規制がある中で、調剤ロボットを導入して医療の現場を助けることを政府として後押しするべきではないか」など質問し、武見厚労大臣は「積極的に導入を促進する必要を感じていて、将来的には電子処方箋と連動した効率的なシステムの構築も目指していきたい」、「一方で1日40枚の規制は薬局の調剤の質の維持などを担保して設定したものであり、対面指導の価値を考慮した上で議論を進めていく必要がある」など答えた。梅村議員は「ロボットを導入することでコストダウンすることがなければ法人は積極的にならないので、薬剤師の配置基準も一緒に見直す必要がある」など話し、岸田総理は「医療現場の効率化や生産性向上のため調剤ロボットの導入は必要であり、調剤ロボットを持っていない薬局が持っている薬局に一部業務を委託する仕組みなども検討している」など話した。
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梅村議員は「医療サービスの提供体制を効率化していく中で在宅医療を進めていくことが重要で、種類が多くある在宅医療の中でどのようにリソースを割り振っていくのか指針は厚生労働省にあるのか」など質問し、武見厚労大臣は「平成25年度のレセプトデータなどから入院患者のうち医療資源の投入が少ない患者群が30万人程度いると把握しているため、各地域の介護施設や在宅医療サービス提供数などを積算して各自治体に示している」など答えた。
梅村氏は医療DXが進まない現状について、遅れている原因とともに歳出改革の徹底との関連があるのかを質問。岸田総理はデジタル化の遅れはデータの標準化が進んでいないことがあるのではないかと言及した上で、全国医療情報プラットフォームの構築・電子カルテ情報標準化・診療報酬改定DXを進めていくと言及。マイナ保険証を巡ってはオンライン資格確認が可能となったことで電子処方箋サービスも展開される形となり、紙の処方箋がなくても全国で薬を受け取れる良い仕様だと評価し、武見大臣に詳細を求めた。武見大臣は紙の処方箋をオンラインにすることで医療機関や薬局間での重複受診・処方をなくすことが出来、処方時などに不適切な処方や医療現場における入力などの効率化も期待できるとしている。梅村氏は電子処方箋の活用状況は合計で4%しかなく、薬局は15%だが歯科診療所ではわずか0.03%しか無いと指摘して補正予算での改善方法を求めた。武見大臣はさらなる普及が必要とした上で、医療機関や薬局からは周囲が導入していない・導入して使えるか不安などの声が聞かれているとして、都道府県と連携してシステム改修費を助成し公的病院が率先して取り組むように説明を行ってきたとしている。
維新・梅村議員の質疑。電子処方箋を広げると言っているが、肝心の電子カルテが広がっていない。特に中小病院や診療所には電子カルテが半分も導入されていない。紙のカルテを使っている医療機関で「処方箋だけは電子である」ということが有り得るのか。厚労省の城医薬局長は「医療機関において電子処方箋を利用する際には電子カルテを用いるということが主流であるが、技術的な使用としてはレセプトPCを使って単独で電子処方箋を作ることは可能である。実際に事業者の中では電子カルテを利用していない機関向けに電子処方箋を利用できる機能の開発を行っているところも存在する。但し、自分たちが把握している限りでは現在そのような施設はないと認識している」と話した。梅村議員は「電子カルテを100%にしない限り、電子処方箋を使うのは論理的にあり得ない」と話した。武見厚生労働大臣は「電子カルテがなくても電子処方箋を導入することは技術的には可能であるが、医療現場の実態を踏まえて政策を進めることが重要だ。今回の補正予算案では都道府県と連携し医療機関等のシステム改修費用を助成する事業を盛り込み、小規模病院や診療所に対しても補助する。全て揃ってからやるのではなく、ある程度のブランドデザインを持ちながら出来るところから確実に実現していきシステムを確立させていくことが必要だ」と話した。
梅村議員の質疑。梅村議員は「取り込みが大事という認識がされているのは良いことだ。私は電子カルテが普及をしてメリットが大きく利便性が高いと感じて、そこで初めて電子処方箋のデータを集めていくことが出来るというストーリーの順番を間違えてはいけない。今回の補正予算案には全国医療プラットフォームを開発するための91億円の予算が計上されているが、具体的にどのような予算として使われるものなのか事業の内容について聞きたい」と話した。厚労省の内山大臣官房医療審議官は「今年6月に取りまとめられた工程表に基づき、医療・介護全般に渡る情報について共有ができる全国的なプラットフォームをオンライン資格確認システム等を拡充して構築するため、電子カルテ情報等を全国規模で共有・交換出来るシステム構築費に69億円、救急医療時に患者の医療情報を閲覧できる仕組みの構築に3.4億円、介護情報を共有できるシステムの整備等で19億円と、ご指摘どおり今回の補正予算案に約91億円計上した」などと話した。梅村議員は「全国の医療機関がこのプラットフォームにアクセスすれば、どのような検査を受けたか、紹介状や健康診断の結果など情報を得ることが出来る。これが出来たら非常に便利な仕組みになる。またこの中に3文書6情報という検診の結果や病院を退院した時期などが記載される決まりとなっている。そこで私は終末期でどのような検査を受けるか否かの情報を追加してほしい」と話した。
厚労省・武見厚生労働大臣の答弁。武見厚生労働大臣は「ご指摘の通り、全国の医療プラットフォームを1日でも早く作ることが大事である。電子カルテ情報等については有識者による検討や医療現場等におけるニーズ調査を踏まえて、検診や介護のデータ等を組込むことになっている。その上でリビング・ウィルは蘇生措置の希望有無など様々な情報が含まれる。現在研究を進めているので委員の趣旨に従った対応を既に行っている」と話した。梅村議員は「元気な時に動画を撮っておいて、そこで延命措置をするのか等プラットフォームの使い方をしていったほうがいい」と話した。梅村議員は岸田総理に「今のスピードで行くと工程表には間に合わない。そこで医療機関に配ったカードリーダーは2年間で配ることが出来た。このシステムは将来大きな武器になる。ぜひ思い切って予算を注ぎ込んで一気に整備していくことを決断してほしい」と話した。
岸田総理の答弁。岸田総理は「医療分野における効率化や生産性の向上など様々な課題を通じて重要な取り組みであり、政府としては医療機関の負担は十分に配慮しながらも電子カルテ・電子処方箋普及に向けてスピード感を持って取り組んでいきたいと思っている。それを手がかりにしながら全体の医療DXを推進させるべく、政府として取り組みを進んでいく」と話した。予算委員長は末松信介さんと紹介された。
浜口誠議員は賃上げについて先日の政労使会議の手応えを岸田総理に尋ねた。岸田総理は会議の場で関係者に対し、来年は今年以上の賃上げをお願いしたいと述べたと明かした。その際に政府として賃上げ促進税制の導入や価格転嫁対策の強化などの政策を用意することも説明したとした。岸田総理は政労使会議は官民一体で賃上げを進めていく思いを共有する場として意義ある場であったとし、今後も労使と連携しながら来年度の賃上げに向けて努力を続けていくと述べた。浜口議員は政労使会議の内容を文書にして公表することと、連合との会見を行ってはどうかと提案した。岸田総理は文書化や会見の予定は現段階ではないと発言。その上で今後も連合や経済団体の長などと意思疎通を図っていきたいなどと述べた。
浜口議員は政府が今後どのように価格転嫁を支援する体制を作っていくのか尋ねた。岸田総理は中小企業の賃上げには労務費の価格転嫁が鍵になるとの認識を示した。その上で今月下旬に「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を策定すると明言。それと併せて公正取引委員会による調査・下請けGメンによるヒアリングなども進め、中小企業の労務費が適切に転嫁される環境を用意したいと述べた。浜口議員は周知・浸透も重要だとして総理の見解を尋ねた。岸田総理は指針を実効性のあるものにするべく、内容をわかりやすく使いやすいものにしなければならないと発言。周知については指針の公表後に関係省庁と連携をし、各商工会議所にも協力を仰ぎながら全国的に広く周知・浸透を図っていきたいと述べた。
浜口誠が質問。日本の下請法は罰則が最大50万円、買い叩きなどでは勧告公表で留まっており、実効性がないという指摘がある。フランスでは優越的地位の乱用が行われた場合、企業の最大売上高の10%が課される。岸田総理は日本の下請法について不十分だとは思わないか。岸田総理が回答。日本で下請法は独占禁止法を保管する法律であると位置づけられている。こういった違反行為の累計を具体化に決定することにより、迅速かつ効果的に下請取引の構成化や下請事業者の利益保護を図るもの。尚且つ、親事業者が下請法上の勧告に従わなかった際には独占禁止法を適用し、排除措置命令や課徴金納付命令を講ずることが可能になる。こうした下請法と独占禁止法の有り様を有効に活用し、現行の枠組みの下で中小企業に不当な不利益を与える行為に対して、公正取引委員会において厳正に対処していくことにより実効性を高めていくものだと認識している。
浜口誠が質問。下請法の対象に関して、親企業の資本金が1000万円~3億円以下の場合は、1000万円以下しか対象にならず、1000万円~3億円以下の企業は対象外となることについて。古谷一之が回答。下請法では独占禁止法を保管して簡易迅速な規制を可能にすることで、一定の資本金区分に基づいて定める親事業者と下請事業者に対して独占禁止法の優越的地位にあると外形的に割り切って規制をしている。この場合の資本金区分は、中小企業基本法の中小企業者の定義として用いられている資本金区分は製造業などを参考に外形的に明確な形で規程している。一方で対象外の企業については1956年に下請法が制定された時の基準が1000万円で、1000万円以下の中小事業者については引き続き保護することを重視し、その後の中小企業基本法の基準の改訂が何回か行われる中で維持してきた経緯があり、これを踏まえた特例的なものが基本にくっついてる構造になっている。
浜口誠が質問。1956年から変わってないのなら見直しする必要があるのではないか。古谷一之が回答。下請法の運用自体が中小企業制作の一環として位置づけられていることもあり、中小企業基本法と異なる資本金区分を設けることになると現時点では決め手がない。浜口誠が質問。今の制度の不備を適正なものに見直していくことが求められているのではないか。西村康稔が回答。中小企業の価格転嫁を進めていく方針で臨んでいるので、実効性を上げる上でどういった対応が必要か、見直しを行っていく。岸田総理が回答。下請法と独占禁止法の組み合わせで実効性を高めていく取り組みが重要。浜口誠が質問。全てやりきってから、来年度以降の賃上げや適正取り引きを進めてもらうことが政府に求められているので、しっかりとした検証と見直しをしてもらいたい。岸田総理が回答。法律の実効性を高めることが重要で、その為に法律や制度の有り様について絶えず検証していく姿勢は重要だと考える。
所得税について。浜口氏は「国民の生活するコストは上がってきている。エンゲル係数は29%で1980年以来最高になっている。基礎的支出についても2019年と2022年を比べると月額8000円増えている」などと述べた。岸田総理は「相対的に食費の割合の高い高齢者世帯の増加、外食・惣菜等への支出系思考の高い共働き世帯の増加によって過去10年ほど増加傾向にある。さらに物価上昇でエンゲル係数が高まっている」などと述べた。浜口氏は所得税において生きるための所得などに課税しない理念と哲学が重要だと述べた。岸田総理は課税の範囲は国の公的サービスをどの範囲で支えるかという観点から今の制度は出来ていると認識しているなどと述べた。浜口氏はBracket creepが生じていると言われている。Bracket creepをわかりやすく説明しどういった対策が必要か財務大臣に求めた。鈴木財務大臣は「Bracket creepとは物価上昇と同率で収入が増加した場合、物価動向を加味した実質的な収入が増えていない一方税負担が累進的に増加することにより実質的な税負担率が上昇する事象を指していると承知している。対策については各種控除の見直しなども検討課題になりうると考えている」などと述べた。浜口氏はBracket creepが生じているか見解を伺った。鈴木財務大臣は所得税収全体に対するBracket creepを把握するには個々の納税者の所得の変動のみならずその要因についても把握する必要があることなどからどの程度生じているか示すことは困難などとした。浜口氏は「2021年度、2022年度の名目賃金上昇率それぞれ2.4%、2.7%をもとに所得税がどのくらい賃金上昇に伴って増えるか試算すると約1兆円になるが実際の所得税の税収増は3.3兆円ある。この差がなぜ生じるか説明を求めた。鈴木財務大臣は「所得税収の増加額3.3兆円には配当や株式の譲渡益にかかるものなども含まれていて名目賃金の上昇に必ずしも直接に関係するものではない。令和2年度の所得税は19.2兆円だがそのうち直接名目賃金の上昇に関係しないのは事業税、配当税、株式譲渡税が含まれている。給与自体は11.6兆円でこれに基づいて名目賃金の上昇に関する給与税収を計算するとこの2年間で1.3兆円の増加になる」などと述べた。
浜口議員は「物価上昇が継続的に続く中で日本は1995年以降基礎控除の引き上げが実施されておらず、そろそろ所得税に対するインフレ調整をするべきではないか」など質問し、岸田総理は「物価上昇と構造的賃上げが続くようになった中で考えるべきもので、現在は賃上げが物価高騰に追いついていないのでこの段階ではまだ早いのではないか」、「可処分所得を増やす事は重要だが、まずはあらゆる経済政策を通じて賃上げを進めていくべきで、今この場面はインフレ局面ではなくデフレ脱却の入口の正念場であるため所得減税の適切なタイミングではない」など答えた。浜口議員は「PC・スマホなどの高騰が続く中で少額減価償却資産の引き上げを行わなければ企業が対応できないので、特例の上昇と延長を行うべきでは」など質問し、岸田総理は「この制度は中小企業の事務負担を軽減するためのものであり、年末に向けて与党税制調査会で議論していくべき課題」など答え、鈴木税務大臣は「問題意識は持っているが、税制改革は与党の税調で議論されるべきものだと考える」など答えた。
国民民主党・新緑風会 浜口誠は「16歳~18歳の扶養控除の縮小は止めて欲しい。」等と質問した。内閣総理大臣 岸田文雄は「児童手当は拡充した。扶養控除の縮小によって生じるデメリットも考慮して整理しなければならないと思う。」等と答えた。浜口誠は「第3子以降の児童手当の増額は継続するという事で良いのではないか?」等と質問した。岸田文雄は「第3子のカウントの範囲を広げる方向で検討している。拡大によって制度の主旨を具体化してゆきたい。検討を続けている。結論を出す。」等と答えた。浜口誠は「年少扶養控除についての考えを伺いたい。」等と質問した。岸田文雄は「三本の柱に基づいて対策の強化に取り組んでいる。年少扶養控除の復活を検討課題にしていない。」等と答えた。
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浜口誠は「ガソリンについては本来の倍の税金を今、自動車ユーザーに負担してもらっている。2倍の上乗せが何で50年間も続かなければならないのか?」等と質問した。財務大臣 鈴木俊一は「地球温暖化対策の観点等を踏まえてそれまでの税率が維持され、現在に至っていると承知している。」等と答えた。また、岸田文雄は「気候変動の問題は深刻化しているので税制上の取扱いを変更せずに今日に至っている。変更する予定はない。」等と答えた。浜口誠は「二重課税によって負担が増えている。国民目線で見ると問題ではないのか?」等と質問した。岸田文雄は「こうした取り扱いは我が国においても変更するつもりはない。」等と答えた。
トリガー条項に関連しての質問。これを解禁することを是として補正予算については賛成を見せたが、政府としては議論を進めていきたいと思っている。結論について代表らとのやりとりの中で、来年4月末までは経済政策で明らかにしているため、その先に向けて議論をしたいなどと岸田首相は述べた。浜口氏はトリガー条項に付いて現行ではメリットが有る、補助金であれば出口がなくともトリガーなら金額帯でストップがかけられる。現実的に対応ができる部分等を鑑み、覚悟と決意を持ってやって欲しいなどと語った。