2025年10月22日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2025 ドローン飛来 危機意識高めるヨーロッパ

出演者
辻浩平 藤重博貴 酒井美帆 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像とキャスターの挨拶。

(ニュース)
高市氏 女性初の首相に 海外からの反応は

日本で初めての女性総理大臣となった自民党の高市総裁。アメリカのCNNテレビは政治と職場の双方で男性が支配する日本にとって非常に歴史的な瞬間だと速報で伝えた。イギリスのBBCは議員の多くが政治家の息子や孫である日本で世襲ではなくトップにたった高市氏の努力は一定の尊敬を集めていると分析。一方、中国外務省の報道官は「戦力的互恵関係を全面的に推進することを臨む」などと述べた。また国営の中国中央テレビは高市氏は安倍晋三氏と密接な関係にあり、安倍路線の強固な継承者だ。靖国神社に何度も参拝していて、外交安全保障の面では保守強硬路線だなどと伝えている。一方、台湾の頼清徳総統はSNSに日本語と中国語のメッセージと共に高市氏が台湾を訪問した際に一緒に撮影した写真を投稿し祝福した。韓国大統領府はコメントを発表し、両国関係は首脳間の信頼を基盤に発展してきた新しい総理大臣とも活発に交流を続けていくことを期待するとしている。通信社の連合ニュースは閣僚人事などを詳しく報じた上で、石破内閣のもとで協力基調が続いた韓日関係に影響が及ぶかどうかが注目されると指摘している。G7主要7か国、女性がトップを務めているのはイタリア、右派政党率いるメローニ氏が首相。イギリスで初めて女性首相となったのは、11年にわたり政権を率い、強硬な政治姿勢から鉄の女とも呼ばれたサッチャー氏を高市氏は目標する政治家に挙げている。国際政治学者、イアン・ブレマー氏は日本への訪問について「トランプ氏が好むことばを多く語るでしょう。会談は非常にうまくいく」と指摘。

米トランプ大統領 ガザ・ウクライナ “停戦”めぐって…

停戦後もイスラエル軍の攻撃が行われるなど不安定な情勢が続くガザ地区。イスラエルは10人以上の人質の遺体が返還されていないと合理の履行をハマスに繰り返し求めている。アメリカのウィトコフ特使らが20日にイスラエルを訪問しネタニヤフ首相と会談した。現地メディアによるとウィトコフ特使らは停戦の厳守を求めた他、ハマスの武装解除やイスラエル軍の撤退などを含む和平計画第2段階に進むため、全力で取り組む考えも伝えたという。さらに21日にはアメリカのバンス副大統領も現地入りし働きかけを強めるものとみられる。トランプ大統領は「中東の暗雲を取り除いた」。一方、ウクライナ情勢をめぐっては「何が起こるかわからない戦争とは実に奇妙なものだ」などとコメント。米ロの両首脳は今後、ハンガリーで会談を行うことで合意している。20日アメリカのルビオ国務長官とロシアのラブロフ外相は電話会談。アメリカ国務省はルビオ長官はトランプ大統領の構想に沿ってロシアとウクライナの紛争を永続的に解決する取組の重要性を強調したとしている。複数のロシアの外交筋がNHKの取材に対し、来月前半に行われる可能性があると明らかにしている。

米トランプ大統領 今月下旬にアジア歴訪 相次ぎ首脳会談へ

トランプ大統領は今月下旬にアジアの国々を相次いで訪問する予定だと明らかにした。今月26日からはマレーシアでASEAN(東南アジア諸国連合)の首脳会議が、27日からは3日間の日程を軸に日本を訪れ、首脳会談を行う他、アメリカ海軍横須賀基地を視察する方向で調整が進められている。APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が開かれる韓国では中国の習主席との首脳会談も行われる見通し。この会談を巡りトランプ大統領は台湾情勢について議題になるとの考えを示した。CNNテレビはトランプ大統領とキム・ジョンウン総書記が首脳会談を行う可能性について、トランプ政権の当局者らが非公式に話し合ったと伝えている。トランプ大統領の1期目のようには北朝鮮との間でやりとりが行われておらず、実現に懐疑的な見方も広がっているとしている。

辻’s Angle
イアン・ブレマー氏が語る“Gゼロ”世界の行方

アメリカの国際政治学者イアン・ブレマー氏とのインタビューを伝えた。ブレマー氏が率いる調査会社ユーラシアグループは毎年世界の重大リスクを発表している事で知られている。2025年の10大リスク。深まるGゼロ世界の混迷、トランプの支配、米中決裂、トランプノミクスなど。発表から10か月経って見直すと正確に今の国際情勢を言い当てていることがわかる。Gゼロはブレマー氏が生み出した言葉。国際秩序を主導する国が存在しない状態。トランプ大統領はアメリカ・ファーストを掲げて国際機関や国際的な枠組みから次々と脱退し、敵味方関係なく世界中の国に関税を課す政策を掲げている。ブレマー氏は「少なくとも取り返しのつかない損害はすでに生じており、元の状態に戻すことは不可能だ」。アメリカの姿勢が同盟国の日本やヨーロッパ諸国に与えた影響を「信頼が失われたことを忘れることはできない」という。ブレマー氏はアメリカが主導しない世界をうまく利用しているのが中国だと指摘。その上でアメリカ主導ではない新たな世界秩序の構築が必要だと主張。ブレマー氏はインタビューでアメリカ主導の国際秩序は既に存在しないと繰り返した。

みなさんの声 募集中

みなさんの声を募集中。

WOW!The World
皇太子 自殺防止活動で涙ぐむ

自殺防止のために活動するイギリスのウィリアム皇太子が1人の女性を訪問。女性の夫は13年前、1歳の息子が病死した直後に自殺。皇太子夫妻は新設された自殺防止財団に約2億円を拠出している。

TGVにプレミアムサービス登場

フランスの高速鉄道TGVに来年からオプティマムと名付けられたプレミアムサービスが登場。フランス国鉄はこのクラスで収益性の高いビジネス顧客を獲得したい考え。

300年前の沈没船から“お宝”

アメリカ・フロリダ州沖で1715年沈没したスペインの船から難破船の引き揚げ会社が見つけたのは銀貨と金貨1000枚以上で価値は100万ドルと推定されている。一部は博物館で展示されるという。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
リトアニア 無人機の脅威 対応迫られる欧州

ロシア軍の無人機が、9月9~10日ポーランド19機、13日ルーマニアに、エストニアには戦闘機3機に侵入した。ポーランドでは初めてNATOが出動し、NATO領空内で撃墜した。バルト三国の一つリトアニアでもロシア軍の無人機が墜落した。リトアニアの無人機が落ちた現場は、住民がきのこを取る場所。無人機は2キロほどの爆発物を搭載し、ベラルーシからウクライナに向かう途中で誤って反対方向に飛んできたと見られる。けが人はいないが、住民は脅威が差し迫っていると感じている。ロシア軍による領空侵犯はヨーロッパ東部で相次いでいる。NATO関係者の間ではロシアがNATOの防衛能力をためそうとしているとの見方が広がっている。NATOは加盟国の航空機を追加配備するなど防空態勢の強化に乗り出した。NATO・ルッテ事務総長は「意図的であろうとなかろうと度重なるロシアの危険な行動は受け入れられない」と述べた。リトアニア軍は地対空ミサイルを備えた部隊を国境に配備するなど対策を強化している。ロアイア軍無人機が落下した地域では今月から無人機の教室を開始した。対象は3年生から12年生。脅威に対応できる人材を育てていきたい考えだ。保護者からも支持する声が上がっている。リトアニア軍の兵力は陸海空含めて約1万2000人、空の防衛の大部分をNATO加盟国から支援に頼っている。中でもアメリカ軍の支援は大きく、リトアニア・シャカリエネ国防相は「ロシア軍の抑止力を高めるにアメリカ軍の存在は欠かせない」という。リトアニアには2019年以降アメリカ軍がローテーションで派遣され、計1200人規模の部隊を受け入れている。さらにリトアニア政府は約2億ユーロをかけて新たにアメリカ軍用の訓練場など近く完成予定。トランプ大統領がヨーロッパに負担の増加を求め駐留アメリカ軍の縮小を示唆する中、リトアニアはアメリカの関与を繋ぎ止めたい考えである。

東ヨーロッパの国々の危機感

ブリュッセル支局長・杉田沙智代の解説。リトアニアで多くの市民から切迫したものを感じた。第2次世界大戦中に旧ソビエトに併合された歴史がありウクライナ侵攻はひと事ではないと受け止めている人が多いと思う。エストニアには9月にロシア軍の戦闘機が侵入。NATO関係者の間ではロシア側が防衛体制を試したという見方が強い。

実際の対策状況

ブリュッセル支局長・杉田沙智代の解説。対策についてNATO関係者からは後手に回っているという指摘も出ている。各国は自国でできる対応を進めている。ロシア軍はウクライナ侵攻の戦闘の経験からより速く、高度が高く、長く飛ぶ無人機の製造を進めておりヨーロッパ各国は急ピッチで対処能力の向上に迫られている。

(ニュース)
トランプ大統領 大谷選手たたえる “最高のピッチャー・バッターの1人”

大谷翔平は17日、10奪三振3HRの大活躍。トランプ大統領は20日、大学野球のチームを招いたホワイトハウスでのイベントで大谷選手の活躍を称えた。トランプ大統領は今年4月、ドジャースがホワイトハウスを表敬訪問した際も大谷選手について賛辞を送ったことがある。

ショパン国際ピアノコンクール 桑原志織さん 4位に入賞

ショパン国際ピアノコンクールは1927年から原則5年に1度開催され、ことし19回目。今年の予選突破は7カ国の11人。日本人の過去最高は2位。今回は愛知県出身・進藤実優さん、東京都出身・桑原志織さんの2人が本戦に臨んだ。桑原さんが 4位に入賞。桑原さんは4歳でピアノを始め、2018年東京芸術大学を卒業後ドイツに留学、ことし世界三大コンクール「エリザベート王妃国際音楽コンクール」ピアノ部門でも決勝進出。桑原さんは「特別な一瞬を届けられるような演奏を続けられたら」と話した。

Human@globe
今回は…

醸造家の山本祐美加さんと河端菜摘さん。山本さんはシンガポールで、河端さんはカンボジアで現地の事情に合わせながらユニークな酒造りに取り組んでいる。日本酒の輸出量輸出額は増加傾向。今、アジアを中心に新しい酒造りの動きが始まっている。

醸造家 山本祐美加さん(34) 河端菜摘さん(26) アジアで挑む“新しいSAKE造り“

シンガポールで約1万円のSAKE「a tama Hibiscus」を作ったのは醸造家・山本祐美加さん34歳。シンガポール国籍の夫ルーベン・ルーク・オーさんとともに醸造所を構えている。港に面した工業地帯の一角に醸造所がある。日本の酒蔵で修行していたところ、日本酒のバイヤーでシンガポールでの酒作りを模索していたルーベンさんと知り合い、意気投合。去年から酒作りが始まった。シンガポールでの醸造には、高い壁があった。まず酒米がない。シンガポールではほとんど稲作が行われていない。水質が合わない事がわかった。酒米は日本から輸入、水はマレーシアから供給されるものを濾過して利用する。中華料理用の蒸し器を活用し、創意工夫した。ルーベンさんの売り込みも功を奏し、売り上げは好調。

カンボジア・プノンペンで現地の米で酒作りに挑戦しているのは、醸造家・河端菜摘さん26歳。高校生の時カンボジアを訪れ、農村の貧しい暮らしに衝撃を受けたのがきっかけ。酒作りから新たな産業を起こし、貧しい農村の暮らしを豊かにしたいとカンボジアでの酒作りを志した。注目したのは地元でとれる質の高い米。大学を中退し、日本の醸造所で修行。カンボジアでは困難の連続だった。磨きという工程は、香り米では難しかった。欠けてしまい雑味が残ってしまう。日本の研究者のアドバイスもうけながら、糖液にたどり着いた。酵母とまぜてアルコールにする。白ワインのような味わいになった。プノンペンで試飲会を開いた。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
オーストラリア国防省 ‘空軍機に中国軍機が接近 「フレア」使用”

オーストラリア国防省はきのう、“おととい南シナ海の公海上空で空軍の哨戒機に中国軍機が接近、(中国軍機が)熱・光を放つ装置「フレア」を2回使用した”“哨戒機の乗員にケガはない”“危険でプロフェッショナルではない行為と中国側に懸念を伝えた”と声明を発表。中国軍南部戦区は談話を発表し、オーストラリアの軍用機が中国の領空に侵入したと主張、法とルールに基づき追跡・監視し力強い対抗措置をとり警告して退去させたとしている。オーストラリア軍機はことし2月にも南シナ海で中国軍機にフレアを使用されていて、マールズ国防相は警戒を続ける考えを示した。

米豪首脳会談 レアアースなど重要鉱物 合意

トランプ大統領は20日オーストラリア・アルバニージー首相と会談、レアアースなど重要鉱物に関する合意文書に署名した。合意は採掘、精製に関する投資についてで、6か月以内に両国での事業に資金提供する。オーストラリア側の発表によると“半導体の材料などで使われる「ガリウム」を日米豪で生産する事業も含まれる”という。オーストラリアは世界有数のレアアースの生産国で、連携を強化し、圧倒的シェアの中国に依存しない、安定的な供給網を構築する狙いがあるとみられる。また、中国を念頭に、アメリカ、イギリス、オーストラリアの安全保障の枠組み「AUKUS」の柱となる原子力潜水艦のオーストラリアへの供与についても協議した。

欧州首脳 ゼレンスキー大統領 ‘国境は武力で変更されるべきではない”

イギリス、フランスのヨーロッパの首脳やウクライナ・ゼレンスキー大統領は共同で声明を発表。アメリカ・トランプ大統領による停戦に向けた取り組みを支持するとしたうえで“国境は武力で変更されるべきではない”とする立場を強調した。

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