- 出演者
- 山澤里奈 辻浩平 藤重博貴 加藤喜之
オープニング映像が流れた。
アメリカとイランの駆け引きが続く中、トランプ大統領は「予定していたイランへの攻撃を取りやめた」と主張。視聴者のみなさんからはトランプ大統領の国内での支持基盤について「福音派が共和党の大きな支持基盤となっている背景は人数の多さからなのか、それとも献金が多いなど他の理由があるのでしょうか」「福音派とMAGA派の共通理論とは何か」などの質問が届いている。きょう質問に応えてくれるのは宗教学・思想史が専門の立教大学・文学部教授の加藤喜之さん。質問・意見は現在も募集中。
ここからは宗教学・思想史が専門の加藤さんに「トランプ政権と宗教」「イラン攻撃と福音派」「アメリカ国民の“イスラエル支持”変化」について解説いただく。まず1つ目から。去年1月の就任後、トランプ政権内では「宗教色が強まっている」という見方が強まっている。去年2月にホワイトハウス内に「信仰局」が設置されたが、これは宗教団体と連邦政府との橋渡しを担う組織。さらに大統領令で「宗教自由委員会」を設置した。これは信教の自由を擁護・強化したものだが、ほぼキリスト教徒で構成されている。また、今週には首都・ワシントンの大規模な宗教イベントにトランプ大統領ら政権幹部らがビデオメッセージを寄せ、キリスト教の価値観を重視する姿勢を強調した。加藤さんは「アメリカは元々キリスト教が多く、いまでも6割くらいがキリスト教徒と言われているので、キリスト教を強調することはそこまで問題ではないが、他者(他宗教)を排除するようなことは大きな問題。トランプ大統領の岩盤支持層に保守的な白人福音派と保守的なカトリックがいるが、彼らはリベラルな政策をすごく嫌う。例えばジェンダー問題や同性愛問題など、保守的な政策を打ち出すことでそういう人たちの指示を得て、必ずトランプ大統領がどんな方向に向いていても支援してくれる岩盤支持層を狙っているんだと思う。アメリカは60年代頃まで人種差別が結構あったので、人種平等などがどんどん進み、軋轢を受けるのが白人層となる。伝統的なキリスト教感を持つ人達もそういうプレッシャー受け、リベラル化せざるを得ない。そこに鬱憤が溜まっていたが、トランプさんがやってきて劣勢になっていた伝統的な価値観・キリスト教徒たちを擁護する味方となり、『リベラルは嫌い』という形で彼が守るので、福音派も保守的なカトリックもトランプさんがやっていることに賛同し、翼賛する形になっている」などと説明した。
2つ目は「イラン攻撃と福音派」。福音派はキリスト教プロテスタントの中のグループ。聖書の教えを重視し、伝統的価値観を重視。人工妊娠中絶や同性婚に反対し、伝統的な家族観を大切にする。アメリカ国民の4分の1近くを占め、最大の宗教勢力とも言われる。トランプ大統領の重要な支持基盤でもある。福音派ではイラン攻撃を指示している人が多いが、その理由について加藤さんは「いくつかあると思う。一般的な世論調査で白人・福音派だけを見ると約6割が『イスラエルが神の予言の成就により国となった』と考える層。イスラエルを守るのはある意味で神学的な意味もある」などと話した。イランに撃墜された戦闘機の乗員が救出された際、ヘグセス国防長官は「乗員は“受難の日”の金曜日に撃墜に遭い、土曜は洞窟や岩の間に身を潜めていた。そして日曜“復活の日”の夜明けとともにイランを脱出した」と述べた。これは聖書のストーリーになぞらえたもの。加藤さんは「キリスト教にとって一番大切なお祭りはクリスマスではなくイースター=復活祭。そのタイミングに合わせて米軍のパイロットがイエスのようになぞらえられてこのようにヘグセス国防長官に語られるということは、キリスト教を“軍を守ってくれるもの”として使っている。本来は多様な宗教者たちがいるはずの米国軍をキリスト教一色にしてしまうことで、キリスト教の支援者たちの支持を得ようとしている」などと話した。
視聴者からの「福音派ととMAGA派の共通理論とは何でしょうか?」との質問に加藤さんは「必ずしも全員が一致する訳では無いが、多くの福音派の方は多分MAGA派として“アメリカファースト”になっている人たちで、MAGA派の中にも信仰を持っている人たちもいる。そこには福音派だけではなく保守的なカトリックの方もいると思うが、彼らに共通する考えが唯一何かというと『神はアメリカのために存在している。アメリカは神によって守られている』という確固たる信念が両者に共通していると思う」と説明した。
3つ目は「アメリカ国民の“イスラエル支持”変化」。アメリカ国民のイスラエル支持は全体的には下がっているが、福音派においては逆行する形となっている。加藤さんは「彼ら(福音派)は聖書を文字通り信じる人達なので、聖書の中に“イスラエルを祝福する民が祝福される”と書いているものを文字通り取り、イスラエルを守り続けなければならないし、1948年にイスラエルは建国されるが、それこそが旧約聖書に語られるもので、『いつの日かユダヤ人がパレスチナの地に集められ国を再興する』という予言があるが、それが成就したと文字通り信じている。15日に出演した佐橋亮さんからの「知のリレーは」「福音派は中国の台頭をどう捉えていますか?」。加藤さんは「地政学的な観点から福音派の人たちは考えたりしないので、そういう意味では大国の台頭はそれなりに受け止めていると思うが、彼らが一番重要視するのは、中国国内におけるキリスト教徒たちの弾圧。特に習近平政権になってからキリスト教徒たちの弾圧は強まっていて、近年でも牢獄に入れられている牧師や聖職者などがいる。それに対し福音派のいくつかの団体はトランプさんを通して中国政府に対し、解放するように、宗教の自由を認めるようにと熱心に活動している」などと話した。
あすは国産の生成AI開発を手掛ける「Sakana AI」で国際政治アナリストを務める石井順也さんをゲストに迎える。加藤さんから石井さんへの質問は「イラン戦争に対するリアクションで、MAGA派のインフルエンサーと一般の人々でどのような違いがありますか?」。
プーチン大統領の訪中は去年9月、北京での軍事パレードに出席して以来。訪問に先立ち公開したビデオ演説で、2国間関係の重要性をアピールした。プーチン大統領と習近平国家首席は明日、少人数や拡大形式での首脳会談を予定している。
プーチン大統領の訪中について、モスクワの渡辺さんは「中国に対して米国よりも強い影響力を持ちたいという思惑がうかがえる。ロシア外交部で外交担当するウシャコフ補佐官は今回以外に中露首脳会談は今年さらに3回行われると今週公表した。大統領の外交日程が事前に公表されるのは極めて異例で、中国重視の姿勢のあらわれといえそう。会談ではロシアの天然ガスを中国に送る新たなパイプラインの建設計画も議題になる見通し」とコメント。北京の馬場さんは「中国としてはロシアとの結束を確認し、中国が主導する形でアメリカ中心の国際秩序に対抗する姿勢を打ち出すとみられる。台湾を巡る問題では、米国のけん制を念頭にロシアから改めて強い支持を取り付けるはず。また経済での連携強化もテーマ」と話した。
ZARAがファッション部門でブランド価値世界一となった。51年前、スペイン・ガリシア州で最初の店舗をオープンさせたZARA。市場調査会社Kantarが発表したランキングではNIKEやUNIQLOを抜き、ブランド価値は約7兆円。全業種のランキングでも上位の企業に変化があった。Googleがアップルを抜いて初めて1位に。3位はマイクロソフトだった。
スイスの時計メーカーと高級ブランドによるコラボウォッチを目当てに世界各地の店舗で長い列ができた。米東部では、人々がドアを壊そうとしたため、警察官100人が出動した。ニューヨークでは、郡守に対して警察が催涙スプレーを使い、ミラノでも小競り合い。定価は6万円あまりだが、ネット上では数千ドルで転売されている。この混乱で一時閉鎖された店舗もあり、メーカーは店に押しかけないよう呼びかけた。この商品は今後数カ月間発売されると説明している。
米・フロリダ州の動物保護施設に保護された6歳の猫ちゃん。腸閉塞を起こしていた。緊急手術を受けるとお腹の中にはヘアゴムが26個も。獣医師は猫の腸閉塞の可能性を示す兆候として、食欲減退や嘔吐、腰を落とした変な姿勢があるとしている。手術から1週間、猫ちゃんは食欲も旺盛だという。
今日のスポットライトは「香港国家安全維持法」。反政府的な動きを取り締まる法律。香港の新聞の創業者がこの法律に違反した罪で、今年2月懲役20年の判決を言い渡された。天安門事件の追悼集会を開いてきた市民団体が同じ法律で罪に問われ、今日その裁判の審理が終わった。
香港から中継。小田さんは「歴史の記憶を語ることすら罪に問われうるという点で社会に与えた影響は大きなものがある。支連会が主催してきた天安門事件の追悼集会は30年にわたって当局の許可をえて合法的に行われてきた。一国二制度で保証された言論や集会の自由を象徴するイベントだった。国会安全維持法が導入され、その光景は姿を消した」、「香港の言論の自由を巡る主な裁判ではリンゴ日報の創業者・黎智英氏の実刑判決が確定したが、今回の支連会の裁判は大きな一つの区切りを迎えることになる」などと話した。
台湾の観光スポットとして人気を集めているのが故宮博物院。清朝の宮廷から受け継がれた歴代王朝の宝物の数は70万点におよぶ。台湾企業の商品開発にいかし、産業支援につなげる取り組みが始まっている。
歴史や美術の教科書に載るような人々を魅了する収蔵品の数々。売店では収蔵品のデザインを取り入れたオリジナルグッズが人気。一角にあるのがMIT特設コーナー。その意味は故宮博物院が台湾各地の民間企業などと連携して開発したメイド・イン台湾のコラボ商品。台中の企業が製造したドリンクホルダーは今から2800年ほど前、西周の時代に作られた「毛公鼎」をモチーフにしている。故宮博物院は貴重な文化財をメイド・イン台湾の商品開発にいかしていく方針。この取り組みに賛同し、参加する企業が今増えている。花蓮の食品メーカーでCEOを務める頼佳柔さん。頼さんの会社では地元名物の新鮮な青唐辛子の皮をむいて、特製の醤油ベースのタレに漬け込んだボーピーラージャオを製造している。スープにしたりご飯に乗せたりして食べる台湾の人気食材。花蓮では一昨年発生したM7.2の大地震で観光客が減り、地場産業が大打撃を受けた。頼さんの工場も被災し、売上は地震前の6~7割程度にとどまっているという。売上を取り戻し、花蓮全体の復興を後押しできないかと目をつけたのが、故宮博物院の取り組みだった。博物院が貯蔵する歴代皇帝の肖像がをモチーフに特製のボーピーラージャオのパッケージをデザイン。博物院の担当者と議論を重ね、高級感がある商品に仕上げることができたという。故宮博物院と花蓮市が開いた地元企業7社による新商品の発表会。他にも金魚の絵をモチーフにした色鮮やかな菓子や花蓮特産の大理石から作られた毛公鼎のミニチュアなども披露された。故宮博物院はコラボ商品を実際の店舗だけでなく、日本など海外向けにオンラインショップでも販売し、被災した企業の支援につなげていくとしている。
高市総理大臣とイ・ジェミョン大統領との日韓首脳会談が行われた。両首脳はインド太平洋地域での備蓄強化を含むエネルギー供給の強じん化や両国のエネルギー安全保障強化の二つを柱とする日韓協力を立ち上げて、具体的な行動を検討していくことで一致した。
皆さんの声を募集している。今日はNHKで報道されたインタビューや独自取材んどは海外ではどのように報道されているのかという質問に対し、山澤さんは「独自ネタはNHKがこう伝えましたと海外のメディアでも伝えられてますけど、海外でNHKを見られるという意味ではこの番組を担当するまではNHKワールドで日本のニュースを報道していたので、その形で海外の方にNHKの放送を見てもらっていた」などと答えた。
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