2024年10月26日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【祖父江慎…驚きのブックデザイン×山崎静代】

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(オープニング)
今回は…

毎年7万冊を生み出す本の世界を独特のアイディアで支え続けているのが祖父江慎さん。あらゆる本のデザインを手掛けるブックデザイナー。小説や絵本、マンガまで。祖父江さんは本の外側の装丁だけでなく文字の大きさや組み方、紙の色や質感、裁断の仕方まで本を丸ごとデザインする。

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直木三十五賞芥川龍之介賞
オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
祖父江慎×山崎静代 ブックデザインの世界へ

銀座蔦屋書店にやってきた山崎静代。手に取ったのは吉田戦車の伝染るんです。かわうそハワイへ行く。25年ぶりの連載を新たに単行本にしたもの。初版は売り切れになり早くも増刷している。祖父江慎がブックデザインをしたという。祖父江さんのデザインは帯や文字が斜めになっていたり、カバーのそでが非対称だったり、製本ミスのまま出版したようなものも。

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ブックデザイナー祖父江慎 「本の」イメージを変える

東京・中目黒の閑静な住宅街に祖父江さんのオフィスがある。祖父江さんの仕事場は本に囲まれている。中には貴重な本に古い本も。よしもとばななのイラスト付き短編集は登場するキャラクターが本の小口にまで。谷川俊太郎と松本大洋の本は印刷で特殊な白を作るのにこだわった。また尊敬してやまない明治の文豪の本も。夏目漱石の名作の坊っちゃんを沢山集めている。あらゆる出版社のあらゆる年代のものをコレクションしていた。

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ブックデザイナー祖父江慎 夏目漱石が原点

坊っちゃんは愛媛県松山市、中学教師として赴任した主人公の奮闘を綴る自身の体験を織り込んだ短編小説。祖父江さんはその坊っちゃんを文章の合間に当時の硬貨や教員免状、温泉の入浴券などを原寸大で掲載するために新聞のような本を作った。また世界で1番小さい坊っちゃんも作った。その一枚に全ての文章が印刷されている。文字の大きさはわずか4分の1ミリ。そして日本最大の坊っちゃんは小説お舞台である、松山の道後温泉で実現した。ホテルの一室を丸ごと本に見立てた部屋本 坊っちゃんは、祖父江さんの見取り図によると、入口から順番に読み進める仕掛けになっている。タイトルは入口の暖簾に。部屋の中は壁から天井から坊っちゃんの物語がびっしり。トイレの中や障子にも。部屋の真ん中にある座卓の上には坊っちゃんの理解者の「きよ」からの手紙が。

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イギリスのロンドン。夏目漱石は1900年から2年間この町に留学していた。本屋さんを巡り歩いて珍しい本を探し回っていた時にみたこともないような美しい本と出会った。漱石はその本の書体やページの構成などにすっかり魅了された。当時イギリスでは、カーテンや壁紙など暮らしにアートを取り入れるアーツ・アンド・クラフツ運動という芸術運動が盛んだった。それには本にも影響を与え、触って眺めて楽しめる書籍が数多く出版されていた。

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ブックデザイナー祖父江慎 作者の思いをデザインする

帰国後に漱石は、吾輩ハ猫デアルを発表。装丁を知り合いの画家に頼んだという。カバーは主役の猫がギリシャ神話の神様の姿に。本文中にも挿絵をはさみ、見て楽しむ事にこだわった当時としては異例の豪華本だった。晩年の作品のこゝろでは自ら本のデザインを行った。主人公の元に先生の慕う人物から届いた遺書。友人を自殺に追い込んだ後悔と自らの幸せと揺れる心情が綴られている。そのこゝろの復刻版をみることになった時に祖父江さんは漱石の思いを最大限にいかすデザインを試みた。表紙の模様はどちらも白抜きの中国古代文字の石鼓文。初版で漱石は、直筆の文字を版画に起こして印刷している。祖父江さんは漱石の直筆をそのまま印刷し、筆致がより生き生きと鮮明になる。扉絵に印刷された仙人風の高士の絵は彫刻家による版画だが祖父江さんは、漱石自らが描いた下絵に差し替えた。さらに漱石の直筆原稿を手に入れてその文章のまま活字を組んだ。作者が秘めた心情までもリアルに伝えるブックデザイン。読書が唯一無二の貴重な経験になるようにと。

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ブックデザイナー祖父江慎 変なデザインは計算ずく

コピーライターの糸井重里さん。祖父江さんがデザインをしたのは著書の何気なく使ってしまう言い間違いをはじめた言いまつがいだが、3つの本は背丈が揃わずにガタガタで裁断を失敗したかのよう。印刷ミスかと思うほど、斜めになった文章。カバーもページより短いが全て計算ずく。

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ブックデザイナー祖父江慎 さくらももこの教えとは

祖父江慎と交流の深かったのはさくらももこだという。

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さくらももこちびまる子ちゃん

祖父江慎の本棚にはさくらももこのエッセイや文庫本など100冊以上のデザインを行った。かれこれ25年以上つき合っていろいろなことを教わったという。

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さくらももこちびまる子ちゃん
ブックデザイナー祖父江慎 他にはない本作り

1959年に愛知県に生まれた祖父江慎。多摩美術大学グラフィックデザイナー科に進み、独立し事務所を立ち上げたが独創的なブックデザインで注目を浴びてきた。ミステリー小説では読者の不安を掻き立てるためにわざと裏の文字を透かせて読ませたりオリジナルの髪まで作ってブックデザイナーとしての個性を表した。

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ブックデザイナー祖父江慎 さくらももこの教えとは

祖父江さんはさくらももこと仕事をした際に、1996年から出版されたエッセイ3部作には祖父江さんのそれまでの考えをガラリと変えた。1作目は卵の殻を砕いて色を塗ったそばで眉や鼻を作った。2作目ではフェルトの貼り絵。祖父江さんはそんなさくらももこの絵を最大限に活かして本をデザインした。さくらももこ独自の世界を表現するために祖父江さんが提案した書体をひと目見たさくらももこは、一生使わないような書体を選んだというが石井明朝体を希望した。しかし実際に使ってみると良かったという。

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ブックデザイナー祖父江慎 コレが未来の本?

祖父江さんが今力を入れている本は未来の本。

ブックデザイナー祖父江慎 本はやっぱり面白い

祖父江さんが今力を入れている本はぺぱぷんたす。年に1冊ずつ出版し現在7冊目。折り紙をしたり、特殊な紙の上で転がすなどする。紙そのものの魅力を味わってほしいという祖父江さんの思いがある。

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(エンディング)
次回予告

新美の巨人たちの次回予告。

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