- 出演者
- 佐藤二朗 片山千恵子 河合敦
青森・八戸市をかつて治めていた南部氏の屋敷の蔵で宝物が発見された。
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- 八戸市(青森)
八戸市博物館には南部直房の宝物が保管されていたが、学芸員ですらなにか分からないという。今回、博物学に精通する伊藤謙准教授、鉱物のスペシャリストである藤浦淳研究員らに協力を依頼した。特注したガラス容器に物体がおさめられ、最高級の標本であることは間違いないという。容器には黄銅鉱、ラピスラズリ、ターコイズ、止血剤になる赤石脂、麻酔薬にもなるマンダラゲなどが確認された。殿様が薬の知識を身につけるための、標本箱だった。江戸時代、天然痘やはしかなどの感染症が幾度も流行した。8代将軍の徳川吉宗は医療改革に乗り出し、栃木・鹿沼市では朝鮮ニンジンの人工栽培に成功。タネを全戸各地の藩に配り、栽培を奨励した。藩を運営する上で、薬の知識を持つことが殿様に必要だったという。
江戸時代、様々なタイプの人魚が存在するとされていた。八戸の殿様は人形に関する宝物を所有していたといい、調べたところ、エイの仲間やクジラ類の歯などと判明。海の周辺で見つけたものを人魚と関連付けたようだった。人魚は不老長寿の秘薬になると信じられていた。殿様にとって藩の存続させることは重大なミッションだった。
江戸時代に刷られたとされるお守りの一種に着目。「絵を見るだけで、無病長寿の効果あり。疫病を退散させる」などと記されていた。人魚を食べた女性が800歳まで生き長らえたという八百比丘尼伝説がのこっていて、人魚は長寿の象徴とされるようになったのかもしれないという。
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- 平田篤胤
人魚のミイラとは何なのか、画像データをもとに下村実氏、伊藤謙氏が調査。X線画像から人工物、人形と判明した。だが、本物に近づける創意工夫、技術は目を見張るものだという。国立民族学博物館の山中由里子教授は世界の人魚について研究し、イタリア・ジェノバにある城で探検家ダルベルティスのお宝を調査。幕末、人魚のミイラは海外で人気を博し、ダルベルティスも入手していたという。山中教授は世界10カ国、21か所でミイラを確認している。マシュー・ペリーも「普通に見ただけでは細工が分からないほど巧妙」と人魚のミイラに舌を巻いていたという。
人工的に作られた人魚のミイラは赤子を抱くようポーズをし、2つの頭には男性、女性の特徴が見て取れるという。お家存続、後継者問題を抱えていたお殿様が子宝に恵まれるようになどと、祈願していたのかもしれない。
伊藤謙氏らは殿様たちで宝物や珍品を見せ合ったり、交換するサロンをイメージした。福州のものは琉球、薩摩藩を通じて入手していたされる。18世紀中頃、物産会という当時の博覧会が催された。世界最初の万博よりも100年早かったという。出品リストを紐解くと、白砂糖の作り方など情報の交換も行われていたという。各藩における薬品開発、土木工事の技術などをやり取りし、知のネットワークも築かれていた。
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- 大阪府立中之島図書館
殿様同士で珍品を見せ合ったり、情報を交換し合うことは趣味と実益があり、殿様も力を入れていたと考えられる。佐藤二朗は「藩や民衆のことを真剣に考えていた切実さが見えてきた」と語った。
「歴史探偵」の次回予告。
