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オープニング映像。
今回のガリバーはセイコーグループ。今、セイコーグループは新たな事業に乗り出している。開発したのは高精度の「時刻同期システム」。セイコーの時刻同期システムは1000万分の1秒という制度だ。このシステムをいち早く導入したのが東京証券取引所。証券取引では1秒間に数万件の通信が殺到する。こうした時にも先に注文した人から順番に取引ができるよう1000万分の1秒レベルの正確な時刻で売買を行っている。セイコーは暮らしを影で支える時刻同期の技術を極めようとしている。
セイコーグループは年商2768億円、従業員数は1万1740人。国内・海外合わせて関連会社は60社以上。時計事業を主力に3つの事業を展開。中でも今力を入れているのが時刻同期システムだ。
セイコーグループが開発した高精度な「時刻同期システム」。地球の周りには数多くの人工衛星が飛んでいて、衛星から正しい時刻が発信されている。時刻の元は搭載されているセシウム原子時計で、3000万年に1秒しか誤差が生じないと言われている。この原子時計の時刻を地上のアンテナでキャッチ、タイムサーバーに取り込む。タイムサーバーは衛星から地上までの距離を計算して危機内で生じる時間のズレを調整して正確な時刻を割り出す。この正確な時刻を光ファイバーを使って配信、様々な機器の時刻を1000万分の1秒の精度で同期する。開発に取り掛かったのは10年前だ。携帯電話の通信にも時刻同期システムが不可欠だという。携帯電話と基地局の間では1つの周波数の中で受信と送信を繰り返している。この切り替えの基準となるのが時刻だ。切り替えの速さは1ミリ秒から1マイクロ秒という単位。この時、基地局同士で切り替えのタイミングが合わないと通信不能に陥る恐れがある。これを防ぐため基地局にタイムサーバーを設置、ネットワーク全体で常に1000万分の1秒の制度で時刻同期を行っている。
セイコーミュージアムには時計の歩みや会社の歴史が展示されている。創業者の服部金太郎が服部時計店を創業したのは21歳の時。金太郎は正確な時間の重要性にいち早く気づき、それを提供することが社会課題の解決につながると考えた。1913年には国産初の腕時計「ローレル」を発売した。
セイコーミュージアムには関東大震災の火災で溶けた懐中時計の塊が展示されている。顧客から修理のため預かっていた懐中時計で、顧客に新品の同等品を返したという。関東大震災の9年後には時計塔を再興した。1969年には世界初のクオーツ腕時計を発売した。機械式より精度が高く安く作れることから瞬く間に世界を席巻した。世界初の飲食店用オーダーシステムや日本初のカード決済用の無線インフラを開発し、社会課題の解決に挑もうと新たな事業を次々に展開した。日本標準時を決めているNICTは2年前からセイコーと時刻同期の共同研究を始めた。様々な端末自体に原子時計を搭載しようと研究者たちは考えている。
「セイコーの挑戦者魂で新しい未来の実現に貢献したいと考えています」などと服部社長は語った。
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