- 出演者
- 大浜平太郎 佐藤章
テレ東BIZの映像。
- キーワード
- テレ東BIZ
湖池屋・佐藤章社長。かつてキリンビバレッジで缶コーヒーの「FIRE」やペットボトルの「生茶」などを生み出した、伝説のヒットメーカーであり商品開発のプロ。2016年の湖池屋社長就任後も大人向けプライドポテトなどの人気商品を次々と世に送り出し、売り上げを拡大させ続けている。そんな佐藤社長に質問をぶつけるのは、味の素、コクヨ、サンコー、物語コーポレーション。
番組では味の素、コクヨ、サンコー、物語コーポレーション、更に一般視聴者から100個のあ質問を募集。会場でその質問を初めて聞く佐藤社長に時間が許す限り答えてもらい、ウソ偽りのない本音のビジネス哲学を引き出す。今回はテレ東BIZで配信している全7話の中から厳選トークを一挙放送。
1問目:ポテトチップスの差別化は?自己満足で「違うつもりでつくっています」はダメ。差別的な優位性だけを集めてブランドにするのがルール。湖池屋は国産のジャガイモしか使わない。これはライバル会社に対する差別的優位性。湖池屋の中でも薄い・厚い・ギザギザ・堅いと大きくは分けていきつつ厚さ・堅さ・ギザギザに応じた味をつくる。そういうふうに必ずターゲットとその人たちが好きな求める味や食感を全部掛け算してつなげる作業。これをすることで差別化ができるという。
2問目:個性的すぎる商品は売れにくい?間口の広さと深さの関係がある。コーヒーは5人に1人と超狭いが、対極のお茶は100人中99人が飲む。しかし、コーヒーは一日6~7本、お茶は1~2本。どこがまた伸びそうなのか、どこが熱狂度が増しそうなのか。今は熱狂度を追いかけた方がいい。人口が減り、痛烈に愛してもらうことにより、ライフタイムバリューという一度の人生で何回も買ってもらって、ファンとのつながりを濃くしていくというマーケティングがいい。お客さんが気に入ってくれれば結構高くても買ってくれる。そのかわりテイストはお客様の好みに合うようにしないとダメ。
4問目:商品化決定の判断基準は?現場の人の熱量しか見ていない。開発者は誰よりも商品を考えている。折衷案的な案も見るとすぐ分かる。最初から最後まで開発者の思いや熱量が貫かれているものはきれい。この時代に正解なんかない。持ってきてくれた人と共に「いけるな」と思ったらGOを出す。同じ会社なので本音が出ないと同じ会社の意味がない。自分の気持ちはストレートに出して正々堂々と討論し合える環境が大事。
5問目:新商品のアイデアはどう生まれる?物を生み出すのはインスピレーション。ただ、それを生む背景として一番大事なのが社会動向。それを前提に物事を考えないと的外れな商品が生み出される。社会の気分があって、市場の特徴を把握して、どんな人に食べてもらいたいか、どんな人に飲んでもらいたいかとか、仮想ターゲットに据えると、そういう人たちの価値観とか、望むものを自分なりに考えて生み出せる。
湖池屋・佐藤章社長が自身の経験に基づいた商品開発のコツを大公開。時代の流れや客のニーズを探りながら商品開発を進める湖池屋、しかし全てがヒットするわけではないという。年間いくつの新商品を発売するのか福野理香が聞くと、佐藤社長は「新商品は100くらい出るが、凄く大ヒットに繋がるのが2つから3つ。ヒットが出にくい時代だから既存のブランドのアイテムにしてブランドの活性化をする」などと話している。
湖池屋・佐藤章社長と異業種社員のガチンコトーク!佐藤社長がキリン時代につくったあの超ヒット商品の開発秘話が明らかに。「生茶」誕生の裏には何があったのか。佐藤社長は「外に出ようという気分の時にライバルはずっと前からある、お~いお茶だった。ビール会社に長くいて生ビールに苦しめられていたから、その憎しみを込めて今度はお茶を生にしてやると思って生茶にした。当時は松嶋菜々子さんがキリンの別のお茶のCMに出ていたが、パッケージが凄くみずみずしくて売れると思ったと言われた」などと話している。
佐藤社長がキリン時代に手がけたヒット商品は他にも。例えば「午後の紅茶」にはこだわりが。焼肉きんぐの岡田雅道は「ブランドを長く続けるコツは?」と質問。佐藤社長は「ブランドは変えていいものと変えてはいけないものがある。午後の紅茶で絶対に変えていけないのは午後の紅茶の明朝体と気品のある中世ヨーロッパの貴婦人で、この2つは変えていはいけない。赤はストレートティー、白はミルクティー、黄はレモンティーで、中世の時代から紅茶を飲んでずっと保ってきた3種類の飲み方は変えてはいけない」などと話している。
湖池屋・佐藤社長と異業種社員とのガチンコトーク。2016年の社長就任後ロゴリニューアルや社食の改善を行うなど、車内の雰囲気をガラッと変えた佐藤社長の湖池屋改革を深堀り。味の素社員から社長への質問は「転換期に組織をどう動かした?」。社長は「僕が湖池屋に入社する2~3年前に赤字が2期続いた。キリンだかどっかからやってきて「何を言ってるの?」と思われないよう、僕は開発者だったから商品で物を言わせるしかなかった。『プライドポテト』をやりながら次々案を出し、それでもプライドからいこうと思った。プライドポテトの語源はフライドポテト。このダジャレが湖池屋らしい。らしさを忍ばせ、それに反応してきた人をまず大事にした。その人達の不平不満、改善案を聞いて”縄張り根性”や”オーナーにOK貰えればいいという体質”が分かってきた。これを変えるために質問し、応答した。この壁打ちのストロークが続くと熱になり、信頼に変わる。これが組織論の一番初めだと思う。自分ひとりで何でも決めて『さあ動け』は時代遅れ」などと話した。
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