- 出演者
- 竹内香苗 伊集院光
オープニング映像。
出演者挨拶。従来のAIは定形データの処理が得意で、生成AIは画像や音声などの非定形データの処理が得意である。生成AIは、非定型データを大業に読み込んで特徴傾向を洗い出すことが可能。人間に優しい言葉で対話できるところが特徴だ。昨年ChatGPT・画像生成が話題になった。実際にChatGPTで「月に東京タワーが刺さっているイラスト」を画像生成で生成して、さらに「子供向け」という指示を加えると生成された絵が子供向けに変化した。
マイナビは、アルバイト情報サイト「マイナビバイト」・中途採用「マイナビ転職」などの人材事業を行っている。マイナビバイトの募集ページを作っている大節さんと相澤さんはアルバイトを募集しているクライアントから聞き取った希望をもとに、実際に求人記事を制作している。職務内容や応募条件、キャッチコピーなど全部で10個以上の項目をこれまでは1から制作していたため、1原稿に付き1時間弱かかっていた。マイナビバイトは、月曜から金曜日毎日掲載する媒体なため、月末の忙しい時期は1日10社程度の対応をすることもある。また、イメージしていた仕事と違うなどアルバイトがやめてしまうなど「ミスマッチ」が課題である。これを減らしたいと考えていたところ、去年5月この作業に生成AIを導入した。
職種や時給などの項目にクライアントの情報を入力し、アピールポイント、職場の雰囲気などを入れて生成ボタンを押すとわずか10秒足らずで募集ページが出来上がった。与えられた条件やキーワードをもとに、生成AIは文体が違う5パターンの原稿を制作してくれる。その中から1つを選び、最終的には人がチェックをする。入力したキーワードに関する部分は黄色く、特に注意の必要な数字部分は青く表示されてミスを防ぐ仕組みになっている。また入力項目によって、男女雇用機会均等法など表記ルールに抵触する可能性があると画面が表示されて知らせてくれる仕組みだ。生成AIを導入したことで、新規に原稿を作る場合の制作時間は最大3割程度削減された。生成AIを使うことで他の業務に時間を回すことが出来たり、自分では使わない表現を学ぶことも出来てクライアントの満足度にも繋がっていると思うとのことだ。マイナビでは、今後生成AIの精度を高め、店舗側と応募者のミスマッチをなくしたいと考えている。顧客体験をどう上げていくかについてAIを活用することは至上命題で、アルバイト事業以外にも実稼働として動いている事業部もあり、作られたボ出る事態を横展開全体に広げたいとのことだ。
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マイナビの生成AIの技術に携わったのは、都内のIT企業ELYZAだ。AIの第一人者である東京大学・松尾豊教授の研究室から生まれたスタートアップ企業である。マイナビで使われていた生成AI・ELYZA Pencilに加え、長文をAIが短文にまとめるELYZA DIGESTなどを開発した。ELYZA DIGESTは、東京海上日動、JR西日本グループを始めとする企業のコールセンターで使われている。用件が分かりづらい、長文の電話であってもわずか20秒程度で 要約してくれるため現場でも好評だという。ELYZAの代表取締役は、ChatGPTが出てきてから生成AIの文脈で金融、メーカーなど多数の業界で幅広くオファーが増えてきている。いろいろとエンパワーしていくことができるのではないかなどと話した。
最初に生成AIが普及し主戦場になるのは、金融、医療、広告などのホワイトカラーの定型的な業務。先ほど紹介したマイナビは、広告の分野であり、極めて定型的な広告だ。自社の作業で、生成AIに置き換えて業務効率があがるのではないかというひらめきがビジネスチャンスに繋がっていくのではないか。実際に伊藤園が生成AIで作ったタレント・パッケージデザインでCMを作成した例もある。有名メーカーの有名商品のCMであれば、契約金は大きいものであるため、芸能プロダクション側から見れば失うものは大きい。生成AIを「やりません」と言う会社は、取り込んでいる同業他社に置いていかれ、生成AIを取り込んでいる同業他社の方が効率はあがるため、競争に負けて淘汰されていく。梅澤さんは「2、3年後には想像より使えないという幻滅期はあると思うが、生成AIの得意な仕事や任せてはいけない仕事を皆が理解するようになり、使い方が上手になり、5年くらいすると定着すると考えられる。そのカーブをどれだけ早く上れるかという競争になると考えられる」などと話した。
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北海道八雲町では北海道新幹線のトンネルを掘っている。2030年度末に向けて建設が進む新青森から札幌を結ぶ北海道新幹線。この現場で生成AIの活躍が始まろうとしている。西松建設の山本さんは「トンネル工事で発生する湧き水に対してIoTのセンサーを使って水中ポンプの稼働の監視を行っていて今は生成AIと組み合わせて管理して行こうとしている」などと語った。トンネルを掘っていると大量に出てくる地下水。そのままにしていると現場が水没し高額な重機が故障したりなどの被害がでるという。そこで活用されるのが地下水を外に排出するための水中ポンプ。水中ポンプは地下水をろ過し、河川に排出するために基本的には24時間稼働しているという。その水中ポンプの動きをIoTセンサーで監視。インターネット上に常に稼働状況が送られている。停電やポンプが詰まると故障して電気がつまりポンプが止まることは結構ありそれを監視しているという。水中ポンプの動きは常にネット上にアップされているがパソコンでログインして分析する必要があり現場の負担になっていた。その課題をスマホと生成AIで解決しようとしている。チャットなどを使ってポンプの動きを調べられるBizStack Assistant。スマホで「ポンプの状況を教えて」と打つと即座に回答してくれる。クラウドにリアルタイムに上がっているデータを生成AIが常に監視しており聞けばすぐに回答してくれる状況だ。その他にも昨日の現場の写真なども即座に対応して表示してくれる。
このシステムを作ったのはシリコンバレー発スタートアップの日本企業MODE。建設業界や物流業界にIoT技術を提供。IT企業には珍しくヘルメットや作業着を常備。現場に頻繁に足を運ぶためだという。MODEが建設業界などに生成AIを導入しようとするのには理由があるという。CEOの上田さんは「人手不足」や建設・物流業界などで今年4月から時間外労働が年960時間に制限される「2024年問題」を挙げた。人間の作業員の仕事をいかに自動化して減らしていくか見回りや点検の作業時間を節約していくポイントになると話した。
MODE CEOの上田さんはなぜ建設現場に生成AIを導入しようと思ったのかについて、もともとIoTという現実とインターネットを繋ぐところに面白みを感じ、昔はWEBの開発をしていたが地球とインターネットを繋げたら面白いと思っていたという。それを9年程やっていたところ生成AIが登場。この技術をどう使えるかと考え生成AIは人間とソフトウェアをつなぐインターフェースになるということに気がつき今のような使い方になったなどと語った。最終的に全部任せるという段階にはまだいっていないので補佐をするような形だが有能なアシスタントとしてかなりいい仕事はしてくれる。間違った時は主人が「それは違うよ」と言ってあげると早い段階で使い物になるなどと話した。建設・物流以外に生成AIを導入したほうがいい業種はあるのかという問に対して上田さんは小売業もかなり使えると思うという。客と店がインタラクションをする。それがたくさんの現場で行われるのでデータを集めて「昨日や先週はどうだったか」というレポートのしごとは相性がいいと話した。
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日本とアメリカで生成AIへの考え方は違うのかという問に対して、アメリカでの反応は「人間の仕事を奪っていく」という考えが強く結構な量のプログラムも書けるのでプログラムを書く仕事が無くなるのではという危機感もあるという。ChatGPTの次にはどこまでいくのかという恐怖感はアメリカでは強いらしい。日本では人手不足や人口減少が大きな問題であり生成AIが人間の代わりに入ってくれるということでかなり好意的に受け止めてくれるので、日米で反応が大きく違うと思っているなどと語った。伊集院さんはそれを聞き、日本は生成AIで世界をリードしていく可能性があるなどとコメントした。
エンディングトーク。伊集院光さんはChatGPT・生成AIを我々の業界にどう組み込んで行くかをマネージャーとしたら、お詫び状をメールでしなければならない。生成AIに謝罪を100パターン用意してくれというと状況に合わせたものを出してくれるものを挙げた。だが送られた側も生成AIで書いたものと気づくとし返信も生成AIで作成するようになるといい結局生成AIどうしでやりとりする世の中になります?などと話した。
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