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きょうはチーズが主役。いま、韓国グルメではチーズ料理が花盛り。若者に評判の店では、チキンのチーズフォンデュが大人気となっている。和食の世界でもチーズが大活躍している。老舗名店の看板料理は、モッツァレラ茶わん蒸し。コンテチーズの白みそ椀やニュー親子サンドも紹介された。
群馬県赤城山麓に、良質なナチュラルチーズが評判の工房がある。牧場からチーズづくりまで一貫して営んでいる。看板のチーズは、ミルク風味のモッツアレラ。スカモルツァも人気で、遠方からもチーズ好きがやってくる。ホテルやレストランからも引っ張りだことなっている。チーズの美味しさの決め手は、自家製ミルク。乳牛のブラウンスイス牛は国内では0.7%に満たない希少種で、ミルクは濃厚なコクがありチーズづくりに適している。乳酸発酵させたミルクに酵素を加えて程よく固まったら切り分け、ホエイを取り除いた白いかたまりがチーズになる。塩を溶かした熱湯に浸し、素早く固めて旨味を中に閉じ込める。冷水にさらすと出来上がる。
オープニング映像。
群馬県・赤城山麓にある牧場からチーズ作りまで一環した手作りの工房。松島さん夫婦が出会ったのは、共に通っていた農業高校。北海道の酪農家に生まれた俊樹さんは、高校生からチーズ作りの夢を抱いていたそう。やがて2人は結婚。北海道の研修施設でチーズ作りを基礎から学んだ。そして、薫さんのふるさと前橋市に移住。おいしいチーズで多くの人を笑顔にしたいとブラウンスイス牛を選んだ。ブラウンスイス牛は草を喰みミルクに変える力が強いので餌は主に牧草や自然の草を与えている。しかし、飼い始め当初はミルクをうまく活かせなかった。俊樹さんは「最初はモッツァレラチーズを看板商品にしようと思ったがどうしてもうまくいかなかった」などと語った。研修で学んだ通りにやってもうまくいかない俊樹さんは、発酵のタイミングや水分量の調節などチーズ作りを一から見直した。そして半年間、調整を繰り返し販売に至った。その後も”さけるモッツァレラ”など商品の数も増やした。さらに自家製ミルクを使ったジェラートも開発。6次産業化のモデルとしても注目されるようになった。
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- 6次産業化事例集Three Brownジェラートジルチーズ工房 Three Brownドリーブラウンスイス牛モッツァレラ(さけるタイプ)共働学舎新得農場・チーズ工房・ミンタル前橋市(群馬)粕川アートフェスティバル 2013群馬県赤城山麓
そんな松島さん夫婦の評判を聞いてやってきた料理人がいる。前橋市にある人気フレンチの石橋和樹シェフだ。これまで群馬の食材を大切に使い、斬新な料理を生み出してきた。俊樹さんが使ってもらいたいというのが、チーズ作りの工程で大量に出る”ホエイ(乳青)”だ。栄養価は高いが使い道が難しいため、ほとんど廃棄されている。石橋シェフは「甘い。ほんの少し薄い牛乳くらい。使わない手はない。」などと話した。ミルクとホエイを活かしてチーズの新作フレンチに挑む。さっそくレストランに戻った石橋シェフ。まずはコクのあるミルクとチーズをふんだんに使ってスカモルツァを削り入れモッツァレラとベーコンに合わせる。ここで再びスカモルツァをかけてオーブンへ。30分ほど焼けば、こんがり良い香り。
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- cépagesチーズプロフェッショナル
石橋和樹シェフの手によって、フランスの家庭料理であるキッシュ「スカモルツァとモッツァレラのキッシュ」が焼き上がった。コクのあるミルクと濃厚なチーズの旨味を存分に味わえる一品。その試食に招かれたのはチーズの生産者であるチーズ工房 Three Brownの松島俊樹さんと松島薫さん。試食した薫さんは「チーズがふんだんに入っててシンプルだけど素材の味が引き立っていて美味しい」などと話した。松島さんからのリクエストでホエイとヒラメを使った料理を紹介。
石橋和樹シェフがホエイで一晩漬けてマリネにしたヒラメを使い、白ワインやバターなどで作ったソースに入れてなじませる。一旦ヒラメを取り出し、ソースにネギやトマトを加えて煮詰めてコクを出す。ヒラメにはスカモルツァをかけて火で炙る。最後にソースの上に乗せて「ホエイでマリネした前橋ヒラメのデュグレレ風」の完成。酸味があるホエイとコク深いバターのソースがヒラメの旨味を引き立てる。
エンディング映像。
食彩の王国の次回予告。