- 出演者
- 高瀬耕造
オープニング映像。
気候変動についてトーク。スタジオには2100年産業革命以前に比べ4度上昇すると簡単には食べられなくなってしまうメニューのトウモロコシのスープなどが出された。高瀬アナは「2100年4度上昇した場合世界全体でなんと50%近くも収量が減るという予測もある」などと話した。地中海沿岸は4度上昇すると干ばつの頻度が大幅に増加する。オリーブオイルは熱波によりスペインの生産量が半減している。
温室効果ガスのおよそ3分の1が食料システムから排出されている。どうしたら危機を食い止めることができるのか今回民法キャスターたちが取材。
気温上昇についてトーク。世界の平均気温が7月に観測史上最高を記録。産業革命前に比べて1.64℃上昇しているという。ズワイガニは異常な温暖化の影響で代謝が過剰になり餓死したという。石井真介シェフは「Chefs for the Blue」という団体で水産資源の保全活動にも取り組んでいる。石井シェフ「水産物の資源を管理することが大事」とコメント。
気候危機を解決するための10の行動についてトーク。「廃棄食品を減らす」・「声を上げる」などが紹介された。日比アナは「廃棄食品を減らす」で「小さな世界で余り物をゴールさせるっていうそれがすごく楽しくて」などと話した。
高瀬アナが毎日のように食べているのが豆腐。高瀬アナは10の行動の「野菜をもっと多く食べる」を実行している。これは環境に負荷のかかる肉や乳製品を食べる量を少し減らそうというのがコンセプトだという。
日本テレビ・後呂有紗のリポート。北海道大学札幌キャンパスで北海道大学大学院農学研究院・小林泰男名誉教授に、環境に優しいウシの飼育について話を聞く。世界の温室効果ガスの中で2番目に多いのがメタンガス。二酸化炭素の28倍も温室効果があるという。ウシのゲップを減らすことが国際的な課題。注目されているのがメタン抑制飼料。原料はカシューナッツの殻。メタンガスの発生実験を行うとカシューナッツの殻オイル入りのほうがメタンなどのガスが少なかった。
TBS・日比麻音子のリポート。パリのマルシェの野菜やフルーツは量り売り。必要な食材を必要な分だけ買うことが根づいている。フランスでは2016年に世界初、「食品廃棄禁止法」を制定。レストランでは持ち帰り容器の無料提供を義務化。捨てられてしまうフランスパンを生まれ変わらせるのは3Dプリンターであった。
フジテレビ・倉田大誠のリポート。2022年6月〜9月に大雨が降り続いたパキスタン大洪水。3300万人以上が被災、国土の3分の1が水没した。被害が大きかった南部では1年後も水が引いていなかった。半壊した家で4人の子供と暮らす一家を取材。洪水の影響で記録的なインフレ、店も小麦粉を仕入れができない状況になった。洪水時の雨量は温暖化の影響で最大75%増加していたという。現地の災害の専門家は「米国、中国、インド、日本、温室効果ガスを大量に排出してきたあなたたちに責任がある。パキスタンは全世界の1%以下しか排出していない」と述べた。
井田は2014年ニューヨークの国連気候サミットで開かれたWMOによる気象キャスターの会合に参加。どの国も自国の異常気象について気づいていながらも言及しにくい状況だった。そこで去年共同声明の発表に至ったという。現状、気象情報の放送内でそこまで触れるのは尺が足りない。グルメやファッッションなどあらゆる生活に気候変動は絡んでおり、そういった折にでも伝えていければと語った。
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- ニューヨーク(アメリカ)世界気象機関
小野伸二が気候変動問題について訴えた。サッカー教室のあとに地球温暖化についてみんなで考えるサステナトークを行い、スポーツを続けられる環境を作っていこうと呼びかけている。
テレビ朝日・山口豊のリポート。長崎県五島市で浮体式洋上風力を取材。水深が深いところでも設置ができ騒音もなく、再生可能エネルギーの切り札として、漁師漁業の活性化に期待が寄せられている。漁師・浦さんは海水温の上昇による磯焼けが問題になっていると訴えた。神奈川・江の島や和歌山・串本町なども同様の被害となっている。この浮体式洋上風力の海中部分は、漁礁の役割も果たしているといい期待が持てる。
山口豊は洋上風力について漁業者の反対が多かったが、五島市のように共存・共栄、さらに発展しようとしていることがよく知られればとコメント。さらにソーラーシェアリングについて、太陽光を利用して大豆などが生産できる仕組みを説明。これにより農家の収入が倍になる。食糧だけではなくエネルギーも作って売っていくことができ、農家の悩みである収入源の解決にもなると話した。
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- ソーラーシェアリング五島市(長崎)
テレビ東京・佐々木明子のリポート。米国・ニューヨーク郊外で今年6月にスタートアップ企業「Oishii Farm」が本格稼働させた植物工場を取材した。日本のイチゴを栽培している。メガファームではLEDライトを使い完全無農薬で育て、収穫は日本メーカーのロボットを使用。さらに水の循環システムを構築した。電力は太陽光発電で作られたものを使用している。最も重要なのはハチの管理でAIを利用したシステムを運用している。生産能力は農業用ハウスに比べ30倍以上という。Oishii Farm CEO・古賀大貴は、植物工場運営会社の中から自動車産業に匹敵するような会社が出てくる可能性が非常に高いコメント。取材した内容を振り返り佐々木によると、これまで環境負荷とされる要素を解決し、異常気象があっても安定した生産ができ、食の未来を守るような動きにもなっている。さらにニューヨークにあるということが重要で、世界で最も消費が激しい都市で運用することで輸出の際に生じるCO2を大幅に削減できると述べた。
未来の食事のヒントを探る。現在、畜産やその餌となる肥料を作るために森林破壊など環境負荷がかかり過ぎている。そこで科学者と医師のチームが食料システム全体を持続可能にする理想の食事「プラネタリーヘルスダイエット」を考案した。人体に必要な栄養素を参考に一食分のワンプレートにすると動物性タンパク質は極めて少なく、牛肉は1週間に約100グラムでよい。鍵を握るのはタンパク質で昆虫食に着目、スタジオではコオロギせんべい、大豆ミートを使った代替肉を紹介した。代替肉「サボマ」はサボテンを使用している。地域や文化の特性に合わせてそれぞれのやり方でバランスを考えてほしいとしている
エンディングトーク。出演者それぞれのコメント。高瀬耕造「食生活をちょっとだけ変えてみることが気候変動を食い止めることにつながる」。日比麻音子「食べることは世界中の誰もが平等に与えられるべき、守られるべき権利」。佐々木明子「伝える、話す、参加する。老若男女を巻き込んでやるのが一番大事」。後呂有紗「取り組みをしたり、支援をしたりと、残していける、ポジティブな面を知ってほしい」。倉田大誠「今やっていることを継続、楽しみながらやっていこう」。山口豊「誰もができることが食。そこを変えていけば環境も変えることができる。未来を変えられる」。
エンディング。世界の気温上昇が止まらない。このままでは確実に産業革命以前に比べて、1.5℃を超えてしまう危機を迎えている。地球温暖化の加速は人間のあらゆる営みが脅かされてしまう。危機を訴える時間はもう無く、自分自身の問題となっている。「知る」から「動く」への変換を呼びかけた。なおこの番組を制作するにあたってのCO2排出量は0.94トン。去年の1.1トンから少し減らせたとのこと。