- 出演者
- 近田雄一
今回は材料費や高熱費の高騰で量や質を保つのが難しくなっている学校給食について紹介していく。学校給食は2021年時点の全国平均で小学校が1食256円、中学校が1食299円の食材費で作られている。学校給食はこの予算内で栄養の摂取基準12項目を満たす必要があり、美味しい給食を作ることが求められている。給食費は法律で食材費が保護者、公立校の場合は人件費・設備費は自治体の負担と定められていて、運営方法は自治体の直営や民間委託など様々ある。
大阪・千早赤阪村には3つの小中学校があり、給食は村が運する給食センターで作られている。献立は栄養教諭によって作られているが、阪本さんは連日頭を悩ませている。物価高騰の中で1食350円でメニューを立案しなければならないため、単価の高い材料を減らし、野菜が高ければその分を減らし別の安い野菜で補う必要がある。食材の調達は毎月教師やPTA代表らが食材を選び、価格と味を吟味してなるべく安くて美味しい食材を選ぶようにしている。また地元農家から野菜を直接仕入れるなど、少しでも安く食材を調達できるよう努力しているが地元の農家にも袋詰の手間が省けるなどメリットがある。調理の際は手作業で作ることでメニューごとに微妙に変わる食材の量に柔軟に対応している。この日の食材費は合計327円にすることができた。
去年大手の給食委託事業者が破綻し、全国13府県・64校で一時給食や食事が停止しする事態が発生した。学校給食を手掛けている八尾市の会社では関西の自治体の一日の給食1万8000食を作っている。この2年ほどは光熱費なども圧迫。ガス代はこの工場だけで一年の間に月の支払額は倍以上になったという。しかし自治体との契約の性質上年度途中で価格を見直すことが困難になり、会社が負担することになるという。人件費が増加していて昨年度は減益に。
跡見学園女子大学の鳫咲子は給食事業者が窮地にある現場について、民間事業者への学校給食の委託では現在の物価高騰へのリスクが抱えきれなくなり、長期休みのある学校給食ではビジネスとして難しいという。2017年には大阪の高槻市では給食の事業者が倒産したこともあったという。また現代の給食の理解を深めるため、多くの人が今の給食について多くの人が理解し、どんな課題があるのかを知ってほしいと答えた。
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- 高槻(大阪)
公立の小中学校が14校ある池田市では、一昨年7月からコロナ禍の子育て支援策の一環として給食費無償化に踏み切った。市内に暮らす坂本さんは3人分の子どもの給食費がなくなったことで、月の支払いが1万円以上減り、受験生の長男を塾に通わせることができている。一方で無償化だけでなく栄養のある美味しい給食を確保することが大事だという人達もいる。給食に関するアンケートを保護者に行うと量や品数が少なく給食が充実していないのではないかという声が寄せられたが無償化と質を両立させることは簡単ではない。今年度池田市では無償化を実現するため、国のコロナ対策の交付金に市の財源を加え賄っている。さらに物価高騰対策として市の財源からさらに食材費を上乗せしている。しかし来年度は国の交付金がどれほど受け取れるか分かっていないため、無償化を続けるためにはこれら全ての費用を市の財源で賄う必要がある。市は来年度、上半期は無償化を決定しているが、下半期に関しては今後検討するとしている。
一方、隣の箕面市ではまったく異なる対応で給食の質を保とうとしている。箕面市でも物価高騰の影響で一時給食危機に直面。栄養価を保つのもギリギリの状態だったという。しかし質を保ちたくても厳しい財政状況を踏まえると無償化の財源を確保するのは難しい。市では全ての公立小中学校の保護者を対象に、今後の給食の在り方について調査を行った。提示したのは値上げなしから30円値上げまで、10円ごとに値上げしたの4つの給食。10円値上げする事に唐揚げのサイズが大きくなるが、30円値上げするとカレーにトンカツをつけることもできる。一部の保護者からは家計が苦しいという声も出たが8割の賛同を受けて昨年度から30円の値上げを決定した。
学校給食は無償化すべきかについて鳫咲子は無償化を進めている自治体は国のコロナの臨時交付金を使ってというケースが多く、その交付金を物価高騰対策に役立てているところもある。現在生活保護や就学援助を利用している家庭も15%ほどあるが、給食費は年間4万円ほどになる。多くの子育て家庭で値上げは負担になるという。また家庭では長期の夏休みでご飯が食べることができず痩せてしまう子どももいて、今給食を値上げしてしまえば未納という事態も起こり得ると答えた。無償化にするための財源については地域の人たちが無償を継続するか、値上げもやむなしか、議論することが大事。地域でだめなら国の交付金という形も検討が必要だと答えた。また韓国では9割以上の自治体で給食の無償化を達成している。2000年代の食中毒問題などで、市民から給食の質を求める声が上がったという。一方で農民団体からは国内の農業の保護を求める声が上がった。そうした中で、給食の無償化と農業振興を組み合わせ、地元農家が有機農産物を給食に提供するようになり、給食の無償化に結びつけた。日本では韓国同様農産物は海外産のものと競争になっているが、有機農産物を無償給食に使い教育予算だけでなく農業予算も活用することで給食の無償化を進める韓国の事例を日本でも参考にできると解説。日本でも千葉・いすみ市では既に無農薬の米を使って似たような取り組みが行われているという。
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