2026年9月28日放送 5:45 - 7:05 テレビ東京

Newsモーニングサテライト
【米利上げは日銀のターミナルレートを押し上げるか】

出演者
矢内雄一郎 佐々木明子 平出真有 中原みなみ 齋藤陽 松本史雄 奥野一成 劔崎仁 西村絵 
グローバルアウトルック
「いつのまにか富裕層」の実態と課題

為替は円安が進み1995年をピークに半値以下になっており、さらには1970年を切ってしまっている。円安を食い止めるために利上げや介入も行われているが、奥野氏は円安の修正はある程度起こるとみている。ベッセント財務長官は、為替の安定や世界経済の安定がアメリカの国益に重要なファクターになると認識し、「自分はハウスだ」と踏み込んで発言した。円安が修正すれば課題のひとつはクリア。次の課題は賃金。98年からアメリカは生産性が上昇していく中で実質賃金も上がってきたが、日本は生産性が上がっていたにも関わらず実質賃金が増えていないことが問題。企業の儲けという果実を株主と従業員で取り合うという構造自体に問題がある。3つ目の課題は資産。10年前の資産構成は半分以上が現預金だった。NISAやiDeCo、企業型DCなどが整備され株式と投資信託に回ってきたが、まだ彼我の差はある。日銀が17日に公表した賃金循環統計によると、現預金から株式と投資信託を足したものが年金や保険を追い越している。これはポジティブな材料。

ソシエテ・ジェネラル証券・劔崎仁氏によると、日本の現預金比率が高いのは金融リテラシーの欠如やリスク回避的な国民性でよく片付けられるが、単なるデフレに対する適応なのではないか。日銀は昨年、論文の中で生まれ年ごとの生涯平均インフレ率を計算しているが、若年世代は21年以降の物価上昇率が反映されて生涯インフレ率が高まっている。資産額が多い高齢世代から高度経済成長期を経験した生涯インフレ率が高い世代は減っていることを考えると、基調的インフレ率が2%で定着しても現金預金比率が米国並に近付くのにはまだ時間がかかる。日本も企業型DCがアメリカの401kに30年近く遅れる形でスタートしている。iDeCoも拡充されているが、401kは非常に強力。401kは自動加入でデフォルトとして投信運用が標準化されている。アメリカでは労働者の53%が401kに加入。日本では企業型DCとiDeCoの加入率が約18%。

インフラは使って当たり前だが、より重要なのはマインドセット。企業の価値創造に参加する方法は、労働して報酬を得ることと株主になることの2つ。岡三証券の松本史雄氏によると、1983年から92年の10年間に運用を開始した“トラウマ世代”と呼ばれる世代は儲かっていない。一方で2003年から運用を開始した若い世代は株式運用のトラウマが限定的で、株式投資に前向き。米国とのギャップは時間が解決してくれる問題だという。購買力平価でも伴った富裕層になるためにはまだ時間が必要。短期投資や短期売買より、果実を取りに行くやり方をしっかり身につけたほうがいい。マインドセットをいかに変えていくかが大事。とりわけ企業の価値創造は顧客と社会の課題を解決しているということであり、素晴らしいプラスサムゲームに参加しているということ。企業の中でも従業員に株式を配るなどのポジティブな動きが増えており、期待している。本当の意味での先進国になっていくことが重要。

キャスターズインサイト
障害者雇用に挑む中小企業

今回のテーマは「民間企業における障害者雇用」。7月に法で定める障害者の雇用率が2.5%から2.7%に引き上げられた。達成できない場合は事実上のペナルティーもある。25年末の時点で大企業はあと一歩だったが、中小企業では1.94%と厳しい状況。中小企業の取り組みを取材した。

都内の中小企業・ニューズベースは経営コンサルティングやイベントの企画を手がけている。基準とする社員数は105人で、法定雇用率をクリアするには2人の障害者を雇用する義務があるが、直接雇用はできていない。これまで障害者の雇用を試みたそうだが、クライアント企業への派遣といったコンサルティング業務ならではの職場環境に馴染めず、障害者が退職するケースが出てしまった。経営管理本部・遠藤宏明執行役員によると、企業側で障害者に合った仕事を見つけて提供していくことに課題があるという。ニューズベースは対策をとるためにウィズダイバーシティ有限責任事業組合に加盟した。発起人の福寿満希氏は「中小企業と障害者施設事業者が“”算定特例制度”という枠組みを活用して障害者雇用に取り組む仕組み」と説明。中小企業側は組合を通して障害福祉事業所に定期的に商品やサービスを発注し、福祉事業所は障害者を雇い入れることで雇用を創出する。組合員全体で雇用した障害者の人数を合算し、平均化した雇用率が適用される仕組み。算定特例制度の活用で組合の障害者の実雇用率は5.23%になっている。ニューズベースの場合、組合を通してオフィスの植物レンタルやランチの配達など月額25万円程度を発注している。甲府市に本社をかまえるケイプ。障害福祉事業所として約100人の障害者を継続的に雇用している。組合の中小企業からは社員の福利厚生用として山梨県特産の果物の注文が多く入るということで、その出荷作業などを障害者が担っている。兄がバイク事故で働けなくなったことでケイプを立ち上げたという赤池社長。ケイプが運営しているレストランではスタッフの8割が障害者だという。3年前に脳の病気で倒れ昏睡状態になった小西さん。以前は都内で飲食店を10店舗ほど経営していた。

障害者の“自社雇用”への道のり

組合は、3年以内に100社の加盟を目指している。その先は、組合を通して、障がい者雇用のノウハウを中小企業で共有しながら自社雇用の比率を高めていきたいとした。

(ニュース)
自然科学3賞 日本人の受賞は?

来月5日から2026年「ノーベル賞」が発表される。ノーベル賞が選ぶ研究分野は、これから世界の産業や社会を大きく変える可能性を秘めている。日経サイエンス代表取締役社長・西村絵の解説。2026年ノーベル賞の日本人の主な有力者を紹介。生理学・医学賞:森和俊、審良静男、柳沢正史、満屋裕明。物理学賞:飯島澄男、野本憲一、香取秀俊。化学賞:森和俊、飯島澄男、菅裕明、宮坂力。

10月5日に発表される2026年生理学・医学賞の日本人の主な有力者と研究テーマ。名城大学教授・森和俊「小胞体ストレス応答」、大阪大学特任教授・審良静男「自然免疫」、筑波大学教授・柳沢正史「睡眠の仕組み」、国立国際医療研究所所長・満屋裕明「エイズの原因ウイルス増殖抑制物質発見」。注目は、今年ラスカー賞を受賞した柳沢正史。ラスカー賞を受賞した年にノーベル賞を受賞した例は1987年に日本人初のノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進。柳沢教授は睡眠研究の第一人者。脳内で睡眠と覚醒をつかさどる「オレキシン」を発見したことで知られる。新たな不眠症の治療薬の開発につながったほか、ことし日米で承認されて注目された睡眠障害の1つ「ナルコレプシー」の治療薬の開発につながった。ナルコレプシーはオレキシンの不足により覚醒状態が安定せず日中に強い眠気が生じる。生理学・医学賞の過去の受賞は基本原理を解明する「基礎研究」と実際の病気の治療法の開発につながる「応用研究」に分けられる傾向がある。昨年は基礎研究がテーマのものが受賞したため今年は応用研究が受賞する可能性があるとの見方がある。今年は柳沢教授の受賞に期待が高まっている。

10月6日に発表される2026年物理学賞の日本人の主な有力者と研究テーマ。名城大学終身教授・飯島澄男「カーボンナノチューブ」、東京大学名誉教授・野本憲一「超新星・元素の起源」、東京大学教授・香取秀俊「光格子時計発明」。注目は香取秀俊教授。レーザー光を使って格子状の「器」を用意し中に原子を閉じ込めて振動をはかる時計「光格子時計」を発明した。100億年に1秒ほどの誤差しか生じないとされる。現在1秒の長さを定義しているセシウム原子時計より100倍以上の正確性がある。島津製作所の共同研究で製品化しており2030年の国際度量衡総会で「秒の再定義」として採用候補になっている。通信や測量などで幅広く活用される可能性がある。

10月7日に発表される2026年化学賞の日本人の主な有力者と研究テーマ。名城大学教授・森和俊「小胞体ストレス応答」、名城大学終身教授・飯島澄男「カーボンナノチューブ」、東京大学教授・菅裕明「特殊ペプチド創薬」、桐蔭横浜大学特任教授・宮坂力「ペロブスカイト太陽電池開発」。注目は宮坂力。毎年、物理学賞と化学賞のどちらにも名前が上がっている。宮坂教授が開発した「ペロブスカイト太陽電池」は薄く軽量で曲がるのが特徴で建物の壁やガラスなど設置場所を選ばない。地球温暖化対策に向けた脱炭素技術として貢献度が大きく高く評価されそう。

ノーベル賞は1901年から続いている。ノーベル賞はノーベルの遺言に基づき人類のために最大の貢献をもたらした人々に贈られる。日本経済新聞社編集委員・青木慎一によると近年のノーベル賞受賞者は「単なる過去の功績だけでなく潮流を映し科学の行き先を示し社会へのメッセージを伝えているケースも増えてきている」という。ノーベル物理学賞では過去に異例の受賞があった。2021年「気象モデルの開発」。大気中の二酸化炭素が増えると地表温度が上がることを実証した。気候変動は確かな科学に基づくと強調。2024年「人工ニューラルネットワークによる機械学習」。AIの基盤技術である機械学習に関する発見と発明。選考委員会の記者会見で急速に進化するAIへの懸念の声が上がった。

天気予報

全国の天気予報を伝えた。東京都心は33日目の雨。史上最高タイに。

アモデイ氏がトランプ大統領と会食へ

アメリカのニュースサイトアクシオスが、トランプ大統領がアンソロピックのアモディCEOを夕食会に招待。27日夜にホワイトハウスで行なう見通し。トランプ大統領がアモデイCEOと1対1での会談は初めて。アモデイCEOは今月、AI開発を減速させるべきだと提言。トランプ大統領は消極的発言をしていた。

モーサテプレミアム

投資情報の有料配信サービスモーサテプレミアム。あす、セミナー「戦略17分野の強弱。中核と出遅れセクターを見極める」が行われる。詳しくは番組HPをご覧ください。

きょうのポイント

きょうのポイント。劔崎さん「(原油価格の各国に与える影響の大小)いまFRBのウォーシュ議長の元で基調的インフレ率に注目がある。米国は原油の輸出国。原油が上昇すると、最終的には企業収益が改善する。:基調的インフレ率が上昇しやすくなる。日本は輸入国。原油が高騰すると企業収益は悪化」とした。松本「過去を振り返ると協調介入が長期的な基調を変えてきた。これまで防衛、AI半導体が緩和しなかったが、ある程度円高に推移すると、食品スーパーがよくなっていくかな」と話した。

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