戦後70年となった2015年、豊実さんは一一さんとの二人展に向けて作品制作を始めた。傍らにはシベリア抑留の資料。生前の一一さんから聞いた話も思い出しながら作品に向き合った。迎えた二人展で展示されたのは豊実さんの新作「シベリアで眠る人々」。シベリアの原生林を背景にそこに眠る人々の苦しみや悔恨を描いた。去年10月、豊実さんは12年ぶりに一一さんが使っていた絵筆を用いて作品作りを開始。シベリア抑留をテーマに作品を描き続ける中で経験していない者が描いてよいのかという葛藤を抱えていた豊実さんはある場所へ向かった。