モスクワから中継でプーチン大統領の会見について解説。冒頭に、主権なくして国の存立はあり得ずと発言し主権を強調した。軍事侵攻を続け、ウクライナの主権や領土の一体性を侵害しているのはロシアだが、プーチン大統領は欧米が仕掛けた戦争だとして、ロシアの主権に対する脅威を守るために戦っているという教鞭を繰り返した形。欧米のウクライナ支援の動きも鈍っているよう見え、プーチン大統領にとってはほくそ笑むような状況になっているといえる。アメリカとの関係についても、ロシアに対する政策が変われば関係改善もと示唆し、来年のアメリカ大統領選挙を意識した発言とも受け止められる。来年3月の大統領選挙に向けて、プーチン大統領としては強い指導者像をアピールして選挙で圧勝し、祖国防衛の戦いとしての軍事侵攻は国民の総意だと印象付けたい狙いがうかがえる。一方、侵攻に異を唱えるノーベル平和賞受賞者や元首相までスパイ扱いして言論統制するロシアで、表立って反戦を訴える人々はほとんど見なくなった。