富士山のオーバーツーリズム問題。山梨県は7月1日の山開きを前に富士山の登山予約の受付を始めた。予約は、富士登山オフィシャルサイトから申し込む。登山の前日まで申し込み可能で名前などを入力。今年から義務化された通行料金1人2000円を事前決済する。河口湖駅近くのコンビニ前が富士山のきれいな写真を撮影できるスポットとしてSNSで拡散。現地の交通や住民の生活に影響が出ている。そこで地元の富士河口湖町は撮影ができないようにするため、あす富士山を覆い隠すための黒幕を設置する予定。山梨県は吉田ルートで1日の登山者数が4000人を超えた場合、山小屋の宿泊者を除いて通行を禁止する。夜通し登る弾丸登山を防ぐため午後4時から午前3時までの通行も規制。山梨県は通行料収入を、およそ3億円と見込んでいて安全対策にあてるとしている。世界では自然保護のため入山料をとる山も多い。米国のデナリ山の入山料はおよそ6万9000円。ネパールのエベレストに至っては、およそ170万円かかり、日本とは大きな違いがある。登山家・野口健さんは今回の料金の導入についてSNSで「大きな第一歩」と評価。ただ、富士登山には山梨県側の吉田ルート以外に静岡県側にも3つの登山ルートがあるため、通行料の導入で、ほかのルートに人が流れるおそれもある。環境省などが運営する富士登山のオーバーツーリズム対策を考える協議会では、今年度の取り組みを検証し、来年度にさらなる対策を立てるとしている。