先週までにアメリカ小売大手の決算が出揃った。長谷川は、表面上は堅調に見えるが、中身を見ると、消費者のシビアな選別が鮮明になったとする。アメリカ国内の既存店売上高成長率では、ロス・ストアーズが9%、コストコが6.4%と、ディスカウントストアや会員制小売が高い伸びを記録した。小売最大手のウォルマートも4.6%と、前の3ヶ月から成長が加速していて、一見すると消費は旺盛に見える。ターゲットがマイナス圏から抜け出せず、家電大手のベスト・バイもマイナス0.8%へと減速した。生活に欠かせない必需品や安さにはお金を出す一方、ターゲットなどが取り扱う嗜好品や耐久財への支出は慎重になっている。ゼネラル・ミルズやモンデリーズといった食品メーカーの経営陣も、低中所得者層を中心に、スナック菓子などの購入頻度を減らすといった行動が見られると指摘し、節約志向の広がりを警戒していた。ウォルマートやコストコは、安価なプライベートブランドやデジタル販売を武器に、年収10万ドル以上の高所得者の間でもシェアを拡大させている。足元では、原油高に伴うインフレの再燃リスクに加え、関税コストの上昇の懸念、延滞率が上がっている学生ローンの負担など、低中所得層にとっての逆風が強まっている。これまで堅調だった高所得者層についても、年初来の軟調な株価推移によって、去年見られたような資産効果がことしはあまり期待できない。長谷川は、今後は、どの企業が選ばれるのかという選別の色がさらに濃くなり、銘柄間の勝ち負けがよりはっきりと分かれる局面になりそうだとした。
