カレーを作る上で代表的な食材の野菜が、天候不順で主な産地で出荷が減ったため値上がりしている。にんじんは平均価格約1.5倍、じゃがいもは約1.3倍、たまねぎは約1.2倍(農林水産省調査)。都内で13店舗を展開するカレー店は1日あたり玉ねぎ250キロ、にんじん40キロなど野菜たっぷりのカレーが売り。値上がりの影響は大きいが、カレーへの価格転嫁は今のところ行っていない。一方で、味が変わらないようにと野菜の量は変えず、じゃがいもの無料サービスも続けているため経営的には厳しい状況だという。野菜の値上がりに加え物価高の影響も。カレールウとレトルトカレーは去年の5月と比べてそれぞれ10%以上価格が上昇。また、米の価格も去年の記録的な猛暑などの影響で上昇。神奈川県横須賀市の子ども食堂。5年前から月に2回ほどのペースで開催していて参加費は200円。しかし、野菜をはじめとする食材の値上がりの影響を受け、去年と比べて経費が2割から3割ほど増えているという。こうした中、子ども食堂を支えているのは地域などからの支援。他にもカレールウや肉と言った食材や現金の寄付などに寄って活動を続けている。国民食とも言われるカレーの今後はどうなるのか。去年、カレールウなどの値上げに踏み切った大手食品メーカーは、香辛料や小麦粉などの原材料費について、中長期的には上昇もしくは高止まりの影響が続くと見込まれるとしている。カレーを20年以上にわたって研究し、食品メーカーと商品開発にも取り組むカレー総合研究所・井上岳久さんは、「夏野菜をこの機会に使ってカレーを作るのもいいと思う」と話す。