世界が注目したトランプ大統領とプーチン大統領との電話会談。最大の焦点だった30日間の停戦案をプーチン大統領は応じなかった他合意したとされる内容についても双方の間で表現の違いがみられ、隔たりが浮き彫りとなった。「双方が30日間エネルギー関連施設への攻撃停止」というトランプ大統領の提案にプーチン大統領が合意、ロシア大統領府は直ちに攻撃をやめるよう軍に命令を出したとしている。ただアメリカが提案しウクライナが受け入れを表明した「30日間の停戦案」についてプーチン大統領は、問題点を指摘し応じなかった。大統領は「ウクライナへの軍事支援と機密情報提供を完全に止めること」と強調。一方トランプ大統領はロシア大統領府が「ウクライナへの軍事支援・情報提供の完全停止に言及した」ことについては否定した。ウクライナ・ゼレンスキー大統領は“19日にトランプ大統領と話す予定”だと述べている。ロシアとウクライナの間では、攻撃の応酬が続いている。ウクライナ空軍は“19日朝までにロシア軍ミサイル6発・無人機145機が飛来”と発表。ロシア国防省も“西部などでウクライナ無人機57機を迎撃”と発表した。
今回の電話会談をアメリカとロシアが発表した声明から深堀りする。アメリカの声明では「恒久的な平和の形で終了」「米ロ2国間関係改善の必要性」「黒海における停戦の履行めぐる技術的交渉」「完全な停戦」「恒久的な平和の交渉」することで合意したとしている。ロシアの声明では「アメリカとのアイスホッケーの試合開催」の他に「解決にむけた努力を二国間の枠組みで続ける」としてウクライナを除くアメリカとロシアの二国間での交渉にこだわりを見せている。一方双方が食い違っているのが“エネルギー関連施設への攻撃停止”について。ロシアは「紛争当事国の双方が30日間エネルギーインフラへの攻撃を控える」としているが、アメリカは「エネルギーやインフラへの攻撃の停止で合意」としている。今後はアメリカのウィトコフ特使が23日にサウジアラビアで停戦に向けた協議を再び行う意向を示している。