イスラム組織ハマスは、パレスチナ自治区ガザで拘束していた人質のうち生存する20人全員を解放した。約2年にわたり戦闘が続いたガザ地区。ハマスによる人質の解放は今月10日の停戦合意の発効を受けたもの。人質の解放と引き換えにイスラエル側はパレスチナの囚人ら約2000人を解放する計画で、その移送が始まっている。イスラエルでは停戦合意の立役者として、アメリカのトランプ大統領を称える声が上がっている。海岸にはトランプ大統領のイラストと「THANK YOU」の文字。そのトランプ大統領はイスラエルに到着し、ネタニヤフ首相との面会後「偉大な美しい日だ。新たな始まりだ」と記帳した。そして先程イスラエル議会で演説に臨み、イスラエルに対し「今後は中東全体の和平実現に努力すべき」と訴えた。今回の停戦合意はイスラエルとハマスの和平案の第1段階で、第2段階にはハマスの武装解除などが含まれるがハマスは後ろ向き。トランプ大統領はこの後第2段階の合意に向けて、エジプトで開かれる国際会議に出席する。イギリスやフランスなど20カ国以上の首脳らが出席し、ガザの戦後統治や復興について協議する。中東調査会の高尾賢一郎協力研究員は「イスラエル側は一定のラインまでの撤退はすると思うが、完全撤退するかは全く不透明。一時的な停戦と人質交換はこれまでに何度もされたきた」などと指摘した。
