OECD経済協力開発機構は最新の世界経済の見通しを公表し、インフレ率の低下などを背景に、ことしの世界全体の成長率の予測をこれまでより0.2ポイント引き上げた。フランスのパリで2日から始まる、OECDの閣僚理事会に合わせて発表された最新の見通しでは、ことしの世界全体の経済成長率について3.1%と、ことし2月時点の予測から0.2ポイント上方修正した。背景について、インフレ率が予想よりも早く低下したほか米国と多くの新興国の成長率が、従来の予測より高かったとしている。また、来年の成長率についても各国がインフレ抑制のために維持している今の水準の政策金利が下がると見て、見通しを0.2ポイント上方修正し3.2%とした。一方、今後の短期的なリスクとして、中東における地政学的な緊張の高まりに伴うエネルギー市場の混乱が、インフレを再燃させる可能性を挙げている。日本の経済成長率について、ことしはプラス0.5%で、これまでの見通しから0.5ポイント下方修正した。一方、実質賃金の上昇や一時的な減税によって内需が下支えされ、来年はプラス1.1%になるとしている。