パリオリンピック。史上最もサスティナブルな大会を目指していたフランスでの取り組みを取材。選手の胸に輝くメダルにはエッフェル塔の鋼材が使用されるなど、パリ大会では環境に優しい「サステナブル五輪」が掲げられた。パリ市内には、誰でも水を無料で飲むことができる施設が1200か所以上設置されている。使い捨てのプラスチック容器を減らすため、会場周辺や街の中に給水スポットが設置され、マイボトルを持って利用する観客の姿も見られた。サステナブルな習慣は“パリの台所”といわれるマルシェでも。野菜やフルーツは量り売りで、1つから購入できる。パリ市民には、新鮮な食材を必要な分だけ購入する生活スタイルが根付いている。更に、フランスパンを再利用する取り組みも。フランスでは毎年、国民1人あたり9本のフランスパンが廃棄になる。捨てられてしまうフランスパンを3Dプリンターで生まれ変わらせている。パンを砕いてできた粉末などを3Dプリンターに投入し、デザインを決めて成形する。粉末の中で成形された生地をオーブンに入れ、焼き上がるのを待つこと3時間。完成したのは花の形をしたクッキー生地。繊細な編み目模様などさまざまな形を簡単に作ることができる。余った粉末は再利用も可能。そして、一流パティシエの手にかかれば美しいケーキに大変身。既にパリ市内のパティスリーでこの技術を使ったケーキが販売されている。