続いてのテーマはファッション×エンターテインメント。舞台芸術からアーティストのステージまで世界観を作り上げる衣装をラグジュアリーブランドが手がけることも少なくない。例えばファッションとバレエ。その関係は100年以上前から続いている。ココ・シャネルが衣装を手掛けたのを皮切りにイヴ・サンローラン、三宅一生、ジャン=ポール・ゴルチエなど名だたるデザイナーたちがバレエの世界へ進出していった。バレエ衣装に求められるのはデザイン性だけではない。ダンサーの動きの美しさを最大限に引き出さなければいけない。美しさと機能性の両方を追及する挑戦をデザイナーたちは100年以上続けている。現在、ファッションとエンターテインメントの結びつきはさらに広がりを見せている。近年、出演アーティストのためにラグジュアリーブランドが特別な衣装を仕立てるケースが増加。世界最大級音楽フェスのコーチェラ・フェスティバルでレディー・ガガ、BLACKPINKリサが特別な衣装をまといステージを彩った。セリーヌ・ディオンのコンサートではDIORやGIVENCHYのカスタムメイドの衣装が登場。世界の歌姫の復活を華々しく飾った。衣装がステージ演出の一部になることも。ビヨンセのライブではANREALSAGEが手がけUVライトによって色が変化する素材を使用。舞台上で衣装が鮮やかな色彩へと変化させた演出は観客を驚かせた。今や衣装はただ身にまとうものではなくパフォーマンスの一部として演出する大事な存在。コレクション自体をエンターテインメントに昇華させるさせていることも多い。KIDSUPERが2023年に発表したコレクションではファッションショーとコメディを融合。モデルの代わりに新作を身にまとったのはコメディアン。服を見せながら観客を笑わせる異例のファッションショーを開催。舞台芸術・音楽・コメディまでファッションは今、ただ服を見せるだけでなく人びとを巻き込み楽しませるエンターテインメントへ可能性を広げている。
