あらかじめ労使で決めたみなし労働時間をもとに賃金を支払う裁量労働制について、先週開かれた日本成長戦略会議の分科会では、制度の拡充をねらう経営側と長時間労働を警戒する労働側の対立が一段と鮮明になった。裁量労働制については今年2月の施政方針演説で高市総理も「成長のスイッチを押す」として言及し、成長戦略の柱として位置づけられている。経団連・筒井会長は「様々な事情の中で成果を出したいという人のニーズを叶えるものとして重要な意義がある」と労働者の利益にもなると主張している。裁量労働制が適用される業種には、証券アナリストやシステムエンジニアなど20の専門業務型、事業運営の企画、立案、調査、分析業務など企画業務型がある。一方、連合・芳野会長は先月「長時間労働を招きやすい」として反対する要請書を上野厚生労働大臣に提出し譲らない姿勢を見せている。労使側が「裁量や適切な処遇が確保されない実態がある」と指摘し、議論は夏以降に持ち越しとなった。
