アメリカのトランプ大統領が各国の新たな関税率を通知する書簡を明らかにした。トランプ大統領は次々とSNSに日本を含む14か国への書簡の文面を投稿。日本や韓国は25%、タイは36%、ラオスやミャンマーに40%などとなっている。トランプ政権は今年4月、アメリカにとって貿易赤字が多い国や地域を対象とした相互関税を発表しているが、今回書簡で示された関税率はその時と同じ水準の国もあれば、引き上げられたり引き下げられた国もある。ホワイトハウスによると、自動車や鉄鋼、アルミニウムに課されている品目別の関税は別で上乗せされることはないと説明している。いずれの書簡もほぼ似たような文面で、「貿易赤字は経済・安全保障への重大な脅威」という表現があり、貿易赤字に対して強い不満を示している。さらに「相手国が関税を引き上げた場合、アメリカの関税率に追加される」として牽制したうえで、「市場を開放し障壁を撤廃した場合、内容を見直す可能性もある」とも書かれている。各国に対して交渉を促し、譲歩を引き出す狙いがあるとみられる。ベッセント財務長官は「合意に至らない国は関税率は7月に発表した水準に戻る可能性がある」とトランプ大統領が言及したことで“交渉の姿勢を軟化させる国が多くあった”と述べた。そのうえで“今後48時間以内にいくつかの発表をする”と述べ、交渉相手の国や地域から新たな提案が寄せられ交渉を続けていて、改めて複数の国との合意が近いとの認識を示した。
一方で、今月9日を期限としていた相互関税の一時停止について、トランプ大統領は「延長しない」と述べていたが、来月1日に延期した。書簡でも8月1日から新たな関税率が発動するとした。背景には繰り返し合意が近いとしているものの、期待していたほど各国との合意が進められていないという焦りもあるとみられる。アメリカの有力紙「ワシントン・ポスト」は、経済評論家や外国の政府関係者が今回の新たな関税の提案の解釈に苦慮しているとしたうえで、「政権が真剣なのか、停滞した交渉を活性化させたいだけか不明瞭。経済の不確実性をさらに高めている」とする見解を紹介している。発表を受けてニューヨーク株式市場ではダウ平均株価は一時600ドルを超える値下がりとなった。ニューヨーク外国為替市場では円を売ってドルを買う動きが進み、円相場は一時1ドル=146円台前半まで値下がりした。新たに来月1日までが期限となった関税措置をめぐる交渉は今後どう進展するのか、トランプ政権の一挙手一投足に世界が振り回される状況が続いている。
一方で、今月9日を期限としていた相互関税の一時停止について、トランプ大統領は「延長しない」と述べていたが、来月1日に延期した。書簡でも8月1日から新たな関税率が発動するとした。背景には繰り返し合意が近いとしているものの、期待していたほど各国との合意が進められていないという焦りもあるとみられる。アメリカの有力紙「ワシントン・ポスト」は、経済評論家や外国の政府関係者が今回の新たな関税の提案の解釈に苦慮しているとしたうえで、「政権が真剣なのか、停滞した交渉を活性化させたいだけか不明瞭。経済の不確実性をさらに高めている」とする見解を紹介している。発表を受けてニューヨーク株式市場ではダウ平均株価は一時600ドルを超える値下がりとなった。ニューヨーク外国為替市場では円を売ってドルを買う動きが進み、円相場は一時1ドル=146円台前半まで値下がりした。新たに来月1日までが期限となった関税措置をめぐる交渉は今後どう進展するのか、トランプ政権の一挙手一投足に世界が振り回される状況が続いている。