今回のテーマは『映画で見つめる世界のいま』。国際政治学者・藤原帰一さんが米国のアカデミー賞など各国で受賞している米国、英国、ポーランド合作の映画「関心領域」を紹介。第2次世界大戦中、ナチスドイツの占領下にあったポーランドのアウシュビッツ強制収容所が舞台。主人公はアウシュビッツ強制収容所の責任者と妻。家族7人で暮らすのは広い庭付きの2階建ての邸宅。恵まれた環境を手にしている妻は家族の周りで起きている現実に目を向けないどころか快適さに溺れていく。そんな、ある日、夫の転属が決まる。妻はこの場所での生活を手放したくない。藤原さんは「ルドルフ・ヘスも実在の人物だが映画の描き方としては冷めている。距離を保って表現されている。収容者を食い物にしている。現代の国際政治を考えて作られた映画に間違いないと思う。」等と解説した。