日印首脳会談における両国の狙いについて会談が行われている首相官邸の前で解説。今、インドは「アメリカとの対立」という外交上の大きな難問に直面している。トランプ政権が追加関税を引き上げたことにモディ首相は反発、対決姿勢を見せている。モディ首相は日本のあと中国を訪問し上海協力機構の首脳会議に出席するほか、中国の習近平国家主席や、ロシアのプーチン大統領と会談する見通しだ。対米関係が急速に悪化する中、モディ首相としては、全方位外交を掲げ、中国やロシア友好的な関係を演出することで、対立するアメリカをけん制するねらいもありそうだ。一方、日本政府は全方位外交を展開するインドとの関係について、ある政権幹部は「アメリカとインドの間に入れるのは日本だけ。中国と対峙する姿勢は共通している」と指摘している。また、モディ首相については、徹底した実利主義者だといった人物評も聞かれる。日本は国際社会で存在感を高めるインドと、安全保障や経済など、幅広い分野で双方の利益を拡大しWin-Winの関係を築きたい考えだ。
