香港でスピード成立した「国家安全条例」では、国家への反逆行為・扇動・国家機密を盗むこと・外国勢力からの干渉・スパイ活動など5分野を犯罪行為として規定している。罰則は外国勢力と協力した場合の罰則を重くしているのが特徴。例えば公共インフラに損害を与えた場合は20年の禁固刑だが、「外国勢力」と結託した場合は最高刑が終身刑となる。また、この条例は香港に進出する企業にも影響を与える。時事通信によると「条例の施行で香港の社会統一が一段と強まり、ビジネス環境の悪化や国際金融センターとしての地位低下を懸念する声が国内外で高まる」と報じている。こうした行動に国外から批判の声があがっている、アメリカ国務省・パテル副報道官は「かつて開放的だった香港社会の閉鎖を一段と加速させる可能性がある」と指摘している。また日本の外務省の報道官は談話として「『一国二制度』への信頼感をされに損なわせるもので改めて重大な懸念を表明する」としている。中国が経済が不安定な中、なぜ条例の成立を急がせたのかという点については、上海支局の高橋大作さんは「中国は経済よりも政治判断を優先する国。中国はむしろ経済面で余裕がない状況にあるからこそ政府に対して反抗的な国・企業を排除するために条例の成立を急いだとも言える」と指摘している。柳沢さんは「香港は特殊な街で、我々としても中国ではあるが香港は違うという意味合いで見てきたし、訪ねていて、行くと楽しむことができていたけど、そういう観光地としての香港の魅力がこれで相当減ってしまうと思う。海外からいろいろな形で香港の実情について影響を受けたり状況が変わるようなきっかけを作りたくない、そういう芽があるなら早いうちに摘んでおかないと、以外香港から中国本土へ様々な影響が浸透していって習近平政権という今の支配体制に影響が出るんじゃないかという入口が香港にあるとみている表れだと思う」などとコメントした。