公正取引委員会などは中小企業が人件費の上昇分を価格転嫁できるように求める行動指針を取りまとめた。発注する企業に対しては人件費の転嫁を受け入れる取組方針を経営トップまで上げて決定し社内外に示すことや、中小企業からの求めがなくても価格転嫁について定期的の協議の場を設けることなどが求められる。一方で受注する企業に対しては価格交渉の際に最低賃金の上昇率など公表資料を利用することや、価格提示の際には下請け企業などの人件費も考慮して行うことなども求めている。受注者側から要請があったにも関わらず協議せずに価格を据え置いた場合には独占禁止法の優越的地位の乱用などに当たる恐れがあると警告している。公正取引委員会は今後受注者が協議を行い事業者の情報を匿名で提供できるフォームを設置する他、独占禁止法違反の恐れがある場合には厳正に対処していく方針。