玄海町で原発の運転が始まったのは1975年。半世紀に渡り原発が立地する自治体として歩んできた。今日可決された請願では「核のごみ」の処分地選定に向けた最初の段階である文献調査への応募を町に働きかけるよう求めている。採決で賛成した上田利治議長は「国の原子力政策に協力してきたと自負している」などと話した。調査は3段階で行われ、対象の自治体には交付金が支払われるが、これまでに受け入れたのは北海道の2つの町と村だけである。玄海町の議会には町内の飲食業組合などが請願を出した。原発の近くで飲食店を営む川崎隆洋組合長は4基のうち2基が廃炉になったことで客足が減る中、新興策になればと考えた。一方、採決で反対した前川和民議員は「自分のごみは自分で処理すると手を挙げると周りは当然良かったねとなる」などと話した。請願は明日の本会議で正式に採択される見込みで、原発の立地自治体では初めてとなる。海外では原発のある自治体に最終処分場の建設することが決まったという例もあるが、経済産業省の元委員の嶋田さんは「新しい選択肢が増えたが、それで消費地の人間が安心してはいけない」などと話した。玄海町が調査を受け入れるかは最終的に町長が判断することになる。