いま人材確保のため福利厚生に力を入れる企業が増えている。そんな中、ある特別な機能を持つ自動販売機が開発され、導入が広がっている。
殺虫剤などの製造・販売などを行う大手日用品メーカーでは、昼時になるとリフレッシュスペースにある自動販売機に次々社員が集まる。お目当ては今年1月に設置された自動販売機。通常とは異なる機能をもつのが特徴で、2人揃って同時に社員証をかざすと好きな飲物をそれぞれ選べ、1人1本まで会社が費用を負担してくれるというもの。1日に30組ほどが利用、この2か月あまりで社員500人ほどが利用した。企業が負担するのは主に飲料代のみ。このメーカーの場合は月に30万円がかかるが、福利厚生を充実させることで社員の帰属意識を高めるメリットがあると考えている。大手飲料メーカーが開発したこの自動販売機。3年前に開始したところ、設置を希望する企業は多く、現在は400社以上が導入している。2人揃うことで利用できる機能を開発した背景には、働き方の変化などで社員同士の交流が減っていることへの危機感がある。
若手社員が直面する悩みを解決しようと導入を決めた企業もある。東京に本社を構えるマーケティング会社では170人ほどの社員のうち2割が新入社員・中途社員。リモートワークが多く顔見知りもできず孤立してしまう人も少なくなかったという。そこでおととしこの自動販売機を設置。さらに新入社員・中途社員には他の社員との利用回数に上限のない特別なカードを持たせることとした。去年中途採用で入社した企画部の石川さんは転職直後は同期もおらず孤独を感じていた。しかし自動販売機の導入後は他の社員と話すきっかけができた。この日、石川さんの呼びかけに応じたのは面識のない営業部の社員など。こうした交流で部署や世代を超えて知り合いを増やしている石川さん。自動販売機が新たなコミュニケーションツールとなっている。この自動販売機はマンションや病院での導入も始まっており、マンションの場合は入居者同士のコミュニケーションの活性化を目的に不動産会社が設置しているという。大手飲料メーカーによるアンケートでは、この自動販売機を利用することで約3分の雑談時間が生まれたという。コミュニケーションに付いて研究する上智大学・清水教授は「雑談は周囲の人と良好な人間関係を育み、物事を円滑に運ぶために行っている会話。会社組織や働き方の多様化が進む中、雑談を通して互いに関する知識を共有することはより一層重要になる」としている。
殺虫剤などの製造・販売などを行う大手日用品メーカーでは、昼時になるとリフレッシュスペースにある自動販売機に次々社員が集まる。お目当ては今年1月に設置された自動販売機。通常とは異なる機能をもつのが特徴で、2人揃って同時に社員証をかざすと好きな飲物をそれぞれ選べ、1人1本まで会社が費用を負担してくれるというもの。1日に30組ほどが利用、この2か月あまりで社員500人ほどが利用した。企業が負担するのは主に飲料代のみ。このメーカーの場合は月に30万円がかかるが、福利厚生を充実させることで社員の帰属意識を高めるメリットがあると考えている。大手飲料メーカーが開発したこの自動販売機。3年前に開始したところ、設置を希望する企業は多く、現在は400社以上が導入している。2人揃うことで利用できる機能を開発した背景には、働き方の変化などで社員同士の交流が減っていることへの危機感がある。
若手社員が直面する悩みを解決しようと導入を決めた企業もある。東京に本社を構えるマーケティング会社では170人ほどの社員のうち2割が新入社員・中途社員。リモートワークが多く顔見知りもできず孤立してしまう人も少なくなかったという。そこでおととしこの自動販売機を設置。さらに新入社員・中途社員には他の社員との利用回数に上限のない特別なカードを持たせることとした。去年中途採用で入社した企画部の石川さんは転職直後は同期もおらず孤独を感じていた。しかし自動販売機の導入後は他の社員と話すきっかけができた。この日、石川さんの呼びかけに応じたのは面識のない営業部の社員など。こうした交流で部署や世代を超えて知り合いを増やしている石川さん。自動販売機が新たなコミュニケーションツールとなっている。この自動販売機はマンションや病院での導入も始まっており、マンションの場合は入居者同士のコミュニケーションの活性化を目的に不動産会社が設置しているという。大手飲料メーカーによるアンケートでは、この自動販売機を利用することで約3分の雑談時間が生まれたという。コミュニケーションに付いて研究する上智大学・清水教授は「雑談は周囲の人と良好な人間関係を育み、物事を円滑に運ぶために行っている会話。会社組織や働き方の多様化が進む中、雑談を通して互いに関する知識を共有することはより一層重要になる」としている。