天皇陛下が即位されて、あすで5年を迎える。天皇陛下は気さくな人柄で知られ、国民との心の交流を大切にされてきた。しかし、コロナ禍で、直接触れ合う機会は失われた。全国植樹祭などの恒例行事は、戦後初めて、すべて開催見送りに。皇位継承の議論に関わる東京大学・御厨名誉教授は「試練だったと思う。どうふるまえばいいのか天皇制や皇室はその時間にお考えになったと思う」と話す。天皇陛下は皇后さまと共に、オンラインを活用して、新たな形で人々とのつながりを築かれた。熊本県を襲った豪雨で被災した人は両陛下のオンライン訪問を「実際お会いしたのと変わらない緊張感と喜び」と振り返る。地方への訪問が再開されたのは、令和4年。側近によると、多くの人に迎えられ、直接交流できたことに感謝し、感動されていたという。令和6年、再び困難と向き合われる年に。この5年で新たに始まった取り組みもある。外国からの賓客との昼食会では、伝統的に西洋料理が提供されるが、両陛下の発案で、和食の前菜などが出されるように。宮内庁が始めたインスタグラムの情報発信は、フォロワーが100万人を超えた。即位から5年、象徴としてどうあるべきか、模索の歩みを続けられる。