中国軍が台湾を取り囲むような形で軍事演習を行った。きょう、就任後初の視察として台湾軍の基地を訪れた頼清徳総統。台湾の巡視船のすぐ近くまで迫ってきたのは中国海宮のフリゲート艦。陸・海・空の軍に加えミサイルを運用するロケット軍も参加する大規模な総合演習。台湾側が確認できただけで艦船が31隻、航空機は42機。中国側が公開した演習区域を見ると台湾侵攻を想定したシミュレーションなのがわかる。政治と軍事の中枢である台北を北から攻め落とし、物資の生命線である高雄港を南から封じ込める。欧米からの支援が届かないよう太平洋側も封鎖。さらに中国本土に近い金門島などの離島も初めて演習に組み込まれていた。より実践を想定した演習は脅しのレベルを一段階上げたことを意味する。きょう「越海殺器」とかかれたポスターも公開。台湾で使われている文字で「“独立”を潰す武器はすでに用意されている」。頼総統が掲げている方針は現状維持だが中国は独立派という見方を強めている。特に先日の就任演説が槍玉に挙げられている。今回の演習を中国は「2024A」とナンバリングした。これは同じような演習Bが今年中に行われる可能性を示している。