今、東名高速道路上りの出口である東京料金所が問題になっている。午前0時前、駐停車禁止の路肩に停まる数台のトラック。走行車線に停止することは違反行為だが、これを皮切りに料金所手前でトラック渋滞が発生。多くの一般車両も巻き込み、3車線すべてがトラックなどで埋め尽くされた。100台を超えるトラックによって1km以上の大渋滞が起きていた。午前0時、トラックが一斉に料金所を通過。高速道路には深夜割引という制度があり、午前0時~午前4時の間に料金所を通過すると全ての通行料が3割引になる。その割引が適用される午前0時を待つために大渋滞が起きていた。実際に取材班が車で走ってみると料金所はすぐ目の前にも関わらず通過するのに10分近くかかった。さらに料金所に近い港北パーキングエリアでは深夜割引の0時待ちとみられるトラックが路肩に違法停車。パーキングエリア内にある大型車の駐車スペースはトラックで満車。さらにトラックが禁止されている一般車両の駐車スペースにも停車しているため駐車できない車が。こうした状況に東名高速道路を管轄するNEXCO中日本は「料金所手前での車両停止や滞留が発生することにより追突事故につながる可能性があるため警察と連携した呼びかけなどの対応を継続的に行っている」とのこと。一方でトラックの運転手は「会社で深夜割引の利用は決められているので」と話す。例えば大阪~東京間をトラックで走行した場合5000円以上の割引となる。栃木県にある運送会社は「月に50万円くらい割引の恩恵がある。人件費や燃料費も高騰している部分があるので圧迫した部分のコストを補填するのに深夜割引を使っている」と話した。この会社では0時待ちこそしていないが、運行シフトを調整して深夜割引を活用している。この渋滞に国土交通省は2024年度中をめどに深夜割引制度を見直す方針。新制度では対象時間を午後10時~午前5時に拡大。一方で現在は対象時間を走行すれば全走行距離が割引されていたが、新制度ではETCの通信機能を使い対象時間の走行距離のみ割引。物流ジャーナリストの坂田氏は「午後10時~午前5時の間しか割引が利かないわけですから午後10時~午前5時の間に走るトラックドライバーが増える。夜に走るわけですから当然危険も増して交通事故のリスクが高くなる」と指摘。4月からはドライバーの労働時間に上限が課せられ、さらなる人手不足も懸念される。