トランプ大統領のアメリカは年明け早々、合わせて66の国際機関や条約などからの脱退や離脱を表明するなどアメリカ第一主義の方針のもと国際社会を軽視するような行動も目立つ。それが鮮明なのが国連総会での投票行動なのだ。例えば、去年3月に採択された民主主義のための教育という決議。こちらが各国の投票結果を表したもの。国連加盟国のほとんどが緑色の賛成か黄色の棄権だったがアメリカだけが赤色の反対だった。この決議は偽情報に対抗するため各国に教育機会の整備などを呼びかけているがアメリカは偽情報への対抗を理由に言論の自由が妨げられているなどと反論した。NHKが独自に集計したところ国連でアメリカだけが反対した決議はトランプ大統領が就任して1年で40以上に上っている。アメリカはトランプ政権発足後の1年間に国連総会の投票によって採択された決議の実に9割に反対票を投じている。このうちトランプ政権と考えの近いイスラエルなども同調せずアメリカ1か国だけが反対した決議がもあったということなのだ。大きな理由はトランプ政権の政策と相いれないというのが理由。例えば7日を馬の日という国際デーにしようという決議案がモンゴルから出された。アメリカもカウボーイ文化を誇る国だが、これに反対した。主な理由は、決議の中にトランプ政権が反対しているSDGsについての言及があったから。他にも脱炭素やジェンダーなどの文言が含まれた決議についてアメリカの代表は次のように批判している。アメリカも反対ばかりしていると他の加盟国との信頼関係にひびが入ってしまうそういったこともないのだろうか。実際、各国の外交官からはあきれたような声も聞かれる。しかも国連総会は安全保障理事会のような拒否権もないのでアメリカが反対しても決議は採択される。むだとも思える反対をなぜ続けるのか。国連の専門家は次のように分析している。アメリカが孤立を深めれば中国などを利することにつながりかねない。中国はここぞとばかりに国連での影響力拡大に動いている。先月、中国主導で結成されたグローバルガバナンス友の会というグループには43か国が参加し中国はグローバルサウスの国々を取り込もうとしている。国連は、1国だけでは解決できない問題については協力しようというグローバルガバナンスの場だが、アメリカは、その考え自体を内政干渉だと捉えている。そして気に入らない決議案に対してはパフォーマンス的に反対することにとどまらず国際機関から次々と脱退し加盟国の義務である国連への分担金も支払わずに実害を及ぼしている。一国反対主義ともいえるアメリカをどうやって国連の場での協力につなぎ止めることができるのか。同盟国である日本の役割も重みを増すことになりそう。
