2023年7月、山本さんは子育て農業応援団といういろんな親子を畑に呼び、自然に親しんでもらうという活動を行っていた。この日は「郷の家」で昼ご飯として、畑で採れた野菜を使った流しそうめんを振る舞う。器は裏山の竹を切って、子どもたちが自分で作る。しかし、竹を切ってくれる人が急遽来れなくなってしまう。こんな時、頼りになるのは新免さんで元々来る予定ではなかったのに竹班のリーダーと呼ばれ「何か嫌な予感した」と呟いた。もう一人、13歳の銀二さんがピンチヒッターで入り、学校でいじられ嫌だった大きな体も大きな武器になっていた。銀二さんの母・有紀さんにとっては兄の太一さんがみんなと作業に一緒に参加していたことも嬉しいことだった。流しそうめんをするには最適な気候の中、自分で作った器で流しそうめんを堪能し、夜は花火で盛り上がった。親子に一筋の光がさした中、退院してくる平山先生を迎えるために山本さんは台所に立っていた。