60代の視聴者から「もう自虐史観はやめよう。子孫に本当の日本の良さを伝える報道を」、また別の視聴者からは「私たちの多くは加害責任に向き合うことなく、被害の記憶だけ継承してきた」との意見が寄せられた。太平洋戦争の歴史や記憶にどう向き合っていくべきかについて、順天堂大学特任教授の藤原帰一は「戦争の責任を問われるのは、何よりも侵略をした政府。私たちは殺人の責任を負わされる立場ではないが、何が起こったのか知る責任はある。ベトナムでの飢餓について知っている人は、とても限られている。飢餓はジャワ、ミャンマーでも起こり、ベンガルでは大規模な飢饉が起こった。そこから目を背けると、『私たちが犠牲になった戦争』という語り方だけになる」などと述べた。「戦争が発生するメカニズムやそれを防ぐ方法を、過去の歴史と絡めて体系的に学ぶ教育が必要」との視聴者からの質問について、藤原は「白黒で決着がつくような問題ではなく、豊かで捉えがたいもの。当事者も単純化できないため、多くの経験者は語らない。だからこそ私たちは豊かな現実を再構成して、見ていかないといけない」などとコメントした。また別の視聴者から寄せられた「現代の日本人が東南アジアを訪れた時、若者から意見を求められても歴史を知らない日本人はパニックに陥る」との意見について、藤原は「知る機会だと思って知ればいい。豊かで分かりづらい現実を知り、違う立場から見える物語を発見する機会にしてほしい」などと語った。「歴史を学ぶことで、未来に向けてどう活かしていくか」について、藤原は「単純化された歴史に惑わされないこと。時間が経てば経つほど戦争経験は単純化され、正邪から見られやすくなる。しかし目を背けたくなるような暴力がたくさんあることもたしか。現在起こっている戦争と過去の戦争を結びつけて、戦争をどのように防ぐことができるのか、現在の課題として考えることが必要」などと語った。
