春闘の高い賃上げ率を背景に賃金等物価の好循環が実現する環境が整ったとして日銀はきょうの会合でマイナス金利の解除などを決める見通し。黒田前総裁のもと、2%の物価安定目標の実現に苦戦するなか、起死回生の一手として8年前導入されたのがマイナス金利政策だった。マイナス金利政策は民間の銀行が日銀に預けるお金の一部に-0.1%の金利をつけることで銀行がお金を溜め込まず、融資を増やすなどして世の中のお金の回りを良くしようとする奇策だった。しかし企業の借り入れ需要は劇的には伸びず、円安などの作用が大きくなってきたため、去年就任した植田総裁は解除のタイミングを探ってきた。金利を引き上げれば2007年以来17年ぶりで、金融政策は歴史的大転換を迎える。会合の結果はまもなく公表される見通しで、午後には植田総裁が会見で今回の決定の背景などについて説明する予定。