吉崎さんに話を聞く。テーマは『「シン・産業政策」成功の条件とは?』。TSMCの熊本工場とラピダスの北海道の工場の2つの半導体プロジェクトについて「経済安全保障」が追い風に・「技術」と「補助金」だけでは足りないとしている。TSMCの熊本工場はすでに稼働していて産業政策のパターンとしてうまくいっている、近くにトヨタやソニーなど大口の半導体ユーザーがあるなどと説明。北海道のラピダスは技術はIBMが供与してくれるが誰が買うのか、北海道の電力供給や、産業集積できるのかなど疑問があるなどと説明した。IMFの研究によると産業政策は比べるのが大変で「シン・産業政策」のモニタリングを始めたとのこと。2023年から始めたもので、サイモン・エベネット教授等の研究について紹介。1年で2500以上の産業政策が記録されその71%が貿易を歪曲、新興国より先進国が積極的、アメリカ・中国・EUで48%を占めるなど。産業政策をやっている一番多い理由は自国の競争力強化、それ以外では気候変動・サプライチェーン強靭化など。アメリカ2022年夏が流れを変えたとしていて、半導体法(CHIPSプラス)とインフレ抑制法(IRA)が成立したこと。IRAは民主党のみで成立、CHIPSプラスは超党派で成立していて、今年11月にもしトラになると最悪IRAは廃案になる可能性もあるそうだ。「中国の方が産業政策に関してはアメリカより上手かなという感じ」などと話し、焦りがでてきている保護主義が強まってきているかなと感じているなどと話した。また日本の産業政策を成功させるために重要なことについて、「オープンエコノミーが一番いいが、賢い産業政策をやっていかなければならない。そのためには産業集積を官民協調でうまく作っていくことが大事」などと話した。