終戦後、中国などにいた元日本兵や一部の民間人が移送され、厳しい寒さや飢えの中、過酷な労働を強いられたいわゆる「シベリア抑留」。香川県には抑留を経験した祖父の記憶を受け継ぐ美術作家がいる。より多くの若い世代へ祖父の記憶をつなごうと演劇に挑戦する姿を追った。
先月、四国学院大学で上演された「シベリア抑留」をテーマにした演劇。手掛けたのは亡き祖父が抑留を体験したという美術作家・千田豊実さん。千田さんの祖父、2012年に亡くなった川田一一さん。3年間、いまのカザフスタンに抑留されたが、長い間その経験を家族に語ることはなかった。ところが70歳のときに絵を描くようになり、少しずつ話をするようになった。亡くなるまで絵を描き続けてきた祖父。千田さんは「祖父の全てを理解してあげられなかった」と感じてきたという。そんな千田さんが和一さんを描いた「祖父と蛍」。祖父の周りに飛ぶ蛍は戦友の魂を表現、「せめて絵の中で再会できるように」という思いが込められている。千田さんは自分と一一さんの絵を一緒に展示する「祖父と孫の二人展」を定期的に開いている。一方で興味を持って見に来る人たちの年齢に偏りがあると感じていた。そこで千田さんは若い人と一緒に演劇を制作することで戦争について伝えていけないかと考えた。物語はシベリア抑留についてレポート制作をする大学生たちが次第にその重みを受け止めていく姿を描いている。制作にあたり、学生たちと一緒に引き揚げた抑留者が到着した京都府・舞鶴の引揚記念館を訪ねたり、遺族を招いた勉強会を開いたりしてきた。一一さんの本物の絵画も劇中で使用し、よりリアルに感じてもらえるよう学生と対話を重ねた。抑留を経験した画家を演じた池内怜士さんは「抑留された状態になったとしたら生きる希望を失ってしまうだろうなと。いままで考えてもなかったことを考えた期間だった」と話す。迎えた公演の日。演じることで戦争に向き合ってきた池内さん。千田さんの祖父・一一さんの強い思いを言葉に込めた。
先月、四国学院大学で上演された「シベリア抑留」をテーマにした演劇。手掛けたのは亡き祖父が抑留を体験したという美術作家・千田豊実さん。千田さんの祖父、2012年に亡くなった川田一一さん。3年間、いまのカザフスタンに抑留されたが、長い間その経験を家族に語ることはなかった。ところが70歳のときに絵を描くようになり、少しずつ話をするようになった。亡くなるまで絵を描き続けてきた祖父。千田さんは「祖父の全てを理解してあげられなかった」と感じてきたという。そんな千田さんが和一さんを描いた「祖父と蛍」。祖父の周りに飛ぶ蛍は戦友の魂を表現、「せめて絵の中で再会できるように」という思いが込められている。千田さんは自分と一一さんの絵を一緒に展示する「祖父と孫の二人展」を定期的に開いている。一方で興味を持って見に来る人たちの年齢に偏りがあると感じていた。そこで千田さんは若い人と一緒に演劇を制作することで戦争について伝えていけないかと考えた。物語はシベリア抑留についてレポート制作をする大学生たちが次第にその重みを受け止めていく姿を描いている。制作にあたり、学生たちと一緒に引き揚げた抑留者が到着した京都府・舞鶴の引揚記念館を訪ねたり、遺族を招いた勉強会を開いたりしてきた。一一さんの本物の絵画も劇中で使用し、よりリアルに感じてもらえるよう学生と対話を重ねた。抑留を経験した画家を演じた池内怜士さんは「抑留された状態になったとしたら生きる希望を失ってしまうだろうなと。いままで考えてもなかったことを考えた期間だった」と話す。迎えた公演の日。演じることで戦争に向き合ってきた池内さん。千田さんの祖父・一一さんの強い思いを言葉に込めた。
