ブルーインパルスは番機ごとに担当パイロットが決まっている。任期は3年で、3年ごとに新人パイロットが配属される。師匠から弟子に飛行技術が受け継がれてきた。派手なソロ技を担当することからエースを呼ばれる5番機の新人パイロットに密着した。2024年10月、ブルーインパルスの本拠地である松島基地に新人パイロットの浦3佐が配属された。愛称はミッキー。那覇基地ではF-15戦闘機のパイロットとして活躍し、ブルーインパルスのエース候補に抜擢された。師匠ジークが見守る中90度ずつ回転する4ポイントロールに挑戦したが、静止する角度やスピードがバラバラだった。ここから1年かけて師匠から技術を学ぶ。2か月でソロ技をクリアし、6番機との2機技に挑む。ミッキーは、2機が1枚岩のように横回転しながら飛行するハーフスローロールとスモークでハートを描くキューピッドが苦手だと話した。2機技と同時進行で6機技の訓練もスタートした。最終試験3か月前からは航空祭を想定した基地訓練が始まる。基地上空訓練になると、技の訓練だけでなく技を見せるためのタイムマネジメントも必要になる。不安を抱えるミッキーのために師匠のジークは訓練後に食事に誘い、メンタルをケアした。ミッキーの最終試験は航空祭と同じように6機で20の技を連続して行う。ミッキーは最終試験に合格し、正パイロットになった。10月26日にエアフェスタ浜松で航空祭デビューを果たした。
