全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ今年の本屋大賞に、宮島未奈さんのデビュー小説「成瀬は天下を取りにいく」が受賞した。この作品は主人公の女子中学生・成瀬あかりが閉店を控える地元の百貨店に毎日通ってテレビ局の中継に映ろうとしたり、漫才の日本一を競う大会に挑戦したりするなど計6つの短編からなる青春小説である。大津市が舞台となっていて、我が道を突き進む成瀬の姿がユーモラスに描かれている。作者の宮島未奈さんは静岡県出身で、結婚を機に大津市へ移り住んだ。去年「成瀬は天下を取りにいく」が書籍化されてデビューし、これまでに41万部を超えるヒットとなっている。宮島未奈さんは「コロナ禍に小説家人生がスタートした私にとっては、多くの皆さんにお祝いしていただけるのは感無量」などと話した。