米国みずほ証券・兼松渉氏の解説。アップルのAIについて市場が不安視している。他のインターネット大手と比較するとアップルのAI戦略にはやや出遅れ感がある。特にマイクロソフトではオフィスのコパイロットがすでに収益に貢献していることもあり、多くの投資家は今後アップルがどういった形でAIを商品とサービスに組み入れ、それを収益化していくかに注目している。売上高に対する研究開発費の比率をみるとメタが売上高の約29%に当たる資金を研究開発に充てているのに対しアップルは売上高のおよそ8%に過ぎない。特に今回の決算で各社がAIの強化に向けて積極的に設備投資を行っていることが示されたがアップルは過去最大となる1100億ドル相当の自社株買い戻しを発表。株価にはプラスになったが、目先の株主還元と株価の動向を気にするあまり、中長期的な業績の伸びにつながる先行投資が不十分なのではといった不安もある。昨日のアップルのイベントでは、新型のiPadProとそれに搭載される新たな半導体のM4が発表された。兼松氏は「ハードウェアの分野ではアップルが真剣にAIに取り組んでいることがわかるが気になるのはハードウェアを活用するだけのAIのソフトウェアがまだ正式に発表されていない点。来月に予定されているWWDCでは今後iPhoneやiPadの端末にどういった形でAI機能が組み込まれ、最新のハードウェアを使いこなすソフトが出現するのかが注目される」と話した。