情報ライブ ミヤネ屋 (ニュース)
小泉農水大臣がコメの価格高騰対策として放出した備蓄米。きょう大手小売業者への引き渡しが始まり、一部の業者は先ほど、予約販売を開始した。連日多忙をきわめる小泉大臣は、けさ農林水産委員会に出席。きょうも論戦が始まろうとするまさにその頃、随意契約された「備蓄米」第1陣の引き渡しが行われていた。けさ、アイリスオーヤマの精米工場に運び込まれた政府備蓄米。申請した1万トンのうち、第1弾として12トンが引き渡された。申し込みから3日後という異例の早さで小売業者のもとへ。不純物が入っていないかなどの品質検査の結果、「問題ない」と判断。きょうのうちに12トン全てを精米し梱包作業を行うという。パッケージは既存の「和の輝き」を使用し、政府備蓄米の印字シールを貼って対応。ブレンドはせず2022年産の備蓄米100%、価格は5キロ2160円(税込み)で、来週月曜日には宮城県内と首都圏の3店舗で販売を開始する予定。日本で一番早く店頭に並べると意気込んでいたアイリスオーヤマ・執行役員・田中伸生管理本部長は、「短納期で入荷・精米までできてひと安心しております」などと述べた。小泉大臣肝いりの「2000円台」とあって、注目度の高い今回の備蓄米。アイリスオーヤマは来週月曜日の店頭販売を前に、きょう午後1時からインターネット販売の予約を開始したが、アクセスが集中し予約開始直後はサイトがつながりにくい状態になった。また、楽天グループもネット通販サイト「楽天市場」に特設ページを開設。きょう正午から5キロ1980円(税抜き)で販売開始したが、すでに売り切れてしまったサイトもある。6月7日から順次発送を始めるとしている。きのう、備蓄米の円滑な流通に向け、関係者との面会を重ねた小泉農水大臣。中野国交大臣とは備蓄米を早く行き渡らせるよう協力を呼びかける、意見交換会を開いた。さらにコメの卸し売り業者などで組織される団体とも面会。備蓄米の随意契約は申し込み殺到のため、おとといスタートから1日余で一時休止。約70社から申請があり、2022年産のコメが上限の20万トンに到達する見込み。そんな中、小泉大臣は新たな随意契約をあすから再開すると発表。対象は町のコメ店や中小のスーパーに拡大される。販売されるのは2021年産のコメ10万トンで、店頭価格は5キロ1944円程度(税込み)になるという。ただ備蓄米について町のコメ店に聞くと、「(備蓄米の取り扱いは)する予定はないです」などの声が聞かれた。新たな随意契約に手を挙げない理由は、2021年産の古古古米であるため。新たに放出される備蓄米は「見た目」や「香り」に違いが出る恐れがあるという。別のコメ店は、実際に食べて品質を確認したいという。一方、随意契約による備蓄米の放出には課題もある。1つは精米の問題。政府からは玄米の状態で提供されるため、精米や袋詰めなどは業者で行う必要がある。5000トンの備蓄米を申請したホームセンター「カインズ」では、精米は取引先と連携をして進め、備蓄米を玄米のまま販売することも検討中だという。さらに備蓄米を巡っては、小泉大臣が随意契約による備蓄米を優先的に行き渡らせたい意向を示した。
物流面でも大きな課題がある。フォークリフトで次々と運ばれていくコメ。大手量販店と契約を結び備蓄米を納品している埼玉県行田市にあるコメの運送会社。直近の予定表を見せてもらうと、早朝4時から夕方までのスケジュールがびっしり埋められていた。これまでの競争入札分の備蓄米を輸送しながら、急きょ随意契約した分の備蓄米を来週早々に各店舗へ届けることになり、作業に追われているという。しかし人手不足により作業のスピードを上げられないのだという。運送業界の中でドライバーや作業員の高齢化が深刻だという。他にも課題は山積しており、重たいコメの積み下ろしを手作業で行っている。厳しいコメの物流業界の現実。この後、夕方から新たな随意契約についてオンライン説明会を開催予定の小泉大臣。果たして今後、コメの価格高騰を止めることはできるのだろうか。